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 2006.07.06 「言語」なしの思考(2)
 2006.08.28 概念は「言語」に先立つ(3)
 2006.08.29 ソシュール用語の再規定(1)
 2006.09.02 ソシュール用語の再規定(2)
 2006.09.03 ソシュール用語の再規定(3)――暫定
 2006.10.23 ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言
 2006.11.28 ソシュール「言語学」とは何か(7)
 2007.01.28 シニフィエについて

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2006年07月06日(木)| 言語>言語規範 
「言語」なしの思考(2)

 「言語」なしの思考(1)(2)をまとめて読む。

前稿 「言語」なしの思考(1) に対して秀さんからトラックバックをいただいた。その記事 「ソシュール的な発想」ということで何を言いたかったのか (2006/07/06)についての感想はいずれまたということにして、昨日来秀さんの 言語なしの思考は出来るか についてあれこれ考えたことを先に済ませておきたい。

言語 | Trackback (0) | Comment (0) | URL | 携帯 | スマフォ | 記事番号:21
2006年08月28日(月)| 意識>概念・表象 
概念は「言語」に先立つ(3)

 概念は「言語」に先立つ(1)~(5)をまとめて読む。

ちょっとばかり理屈っぽくなるが今日は数学「的」な説明をしてみたい。

「言語langue」(言語規範の一部)は個人の認識として存在している。そこで、ある個人の意識のうちに存在する「言語」を構成している「シーニュ」の集合を A とし、A の個々の要素を a1, a2, …のように表わす。同様に、「シーニュ」を形成する「シニフィアン」および「シニフィエ」の集合をそれぞれ B, C とし、B, C の個々の要素をそれぞれ b1, b2, …、および c1, c2, …のように表わす。

意識 | Trackback (0) | Comment (0) | URL | 携帯 | スマフォ | 記事番号:59
2006年08月29日(火)| 言語>言語規範 
ソシュール用語の再規定(1)

 ソシュール用語の再規定(1)~(4)をまとめて読む。

ソシュールにおいては「言語langue」や「記号signe」(=「シーニュ」)、あるいは「シニフィアンsignifiant」・「シニフィエsignifie」という言葉はいずれも人間の意識の中に存在するものの名称である。しかし原語(フランス語)をそのまま日本語で表記すると、それらはいずれも現実に表現された現実的な「言語」・「記号」・「意味するもの」(能記=記号の音声)・「意味されるもの」(所記=記号の意味)となってしまう。ことに「言語」・「記号」という表記には別の問題がある。「言語」は言語規範の一つである語彙の規範であって、言語そのものとは異なる。これは不適切な表記といわざるをえない。また語(表現された言葉)は記号の一種ではあるが、語と記号とは違う。したがって「認識された語」を「記号」とするのはこれも不適切な表記である。要するにソシュールによって規定されたこれらの用語はいずれも名が体を表わしていないどころか「名が他の体を表わしている」のである。その上、「シニフィアン」・「シニフィエ」などはフランス語をそのまま用いることが広く行われていて、普通の日本人にはきわめて分かりにくい。

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2006年09月02日(土)| 言語>言語規範 
ソシュール用語の再規定(2)

 ソシュール用語の再規定(1)~(4)をまとめて読む。

「言語学の用語についての実験的試み」(2006.08.29)(タイトルを「ソシュール用語の再規定(1)」に変更) に対してオータムさんから啓発されるコメントを戴きました。そのコメント及びそれに対する私のご返事はコメント欄を参照して頂くとして、ご返事を書いた後で気がついたこと、考えたことを簡単に書いておきます。

言語 | Trackback (0) | Comment (0) | URL | 携帯 | スマフォ | 記事番号:62
2006年09月03日(日)| 言語>言語規範 
ソシュール用語の再規定(3)――暫定

 ソシュール用語の再規定(1)~(4)をまとめて読む。

「ソシュール用語の再規定(1), (2)」で、言語過程説の立場からソシュールの用語を再規定することを試みた。まだ検討が不十分なところもあるだろうが、整理してまとめておく。

言語 | Trackback (0) | Comment (0) | URL | 携帯 | スマフォ | 記事番号:63
2006年10月23日(月)| 言語>言語規範 
ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言

 ソシュール用語の再規定(1)~(4)をまとめて読む。

ソシュール言語学には個別概念が存在している?」(2006.09.09)で書いたように、いわゆる「思考言語」(内言語)は言語規範としてのラングではない。それは 個別概念⇔語音像 という連合が時間的・一次元的に連鎖したものであって「シーニュ*」(語規範) つまり 語概念⇔語韻 の連鎖ではない。個別概念⇔語音像語概念⇔語韻 とはその質が異なるのである。前者が個別概念(表象をともなった概念)と語音像(音声表象)とが連合したもの、つまり〈表象形態〉をとった感覚的な認識であるのに対して、後者(語規範)はともに〈概念形態〉である概念と語韻とが連合した超感覚的な規範認識である(ただし、前者は〈表象形態〉ではあるが、普遍的・概念的な側面をもとらえた認識であるから概念的な把握はなされている)。

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2006年11月28日(火)| 言語>言語本質論 
ソシュール「言語学」とは何か(7)

前稿に引用した『一般言語学講義』(小林英夫訳) の「音的資料へと組織された思想としての言語」の冒頭部については、それに相当する部分が「一般言語学第三回講義」の中にある(後述するように両者は必ずしも内容が一致しない)。また、冒頭部に続く「思想と向かい合っての言語独特の役割は,…」以下については、相当部分が「一般言語学第二回講義」中にある(この両者にも微妙な差異がある――前稿を参照)。

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2007年01月28日(日)| 意識>概念・表象 
シニフィエについて

ソシュール用語の再規定(1)(2006/08/29) に対して takekiさんからいくつかコメントをいただいています。takekiさんはその中でシニフィエについて書いておられます。それにお応えするためにいろいろ考えたのですが、結局はシーニュをどのようなレベルでとらえているのかをはっきりさせないままではシニフィエについてきちんとしたお話はできないだろうと思っています。つまりシーニュというのはなのか内語なのか、それとも語規範なのかということであり、シニフィアン語音語音像語韻のうちのどのレベルで考えているかということです。なお、これらの用語については、このページ下部の「記事内の用語について」や「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」、「言語音・言語音像・音韻についての覚書」などを参照して下さい。

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#21 「言語」なしの思考 思考言語・内言・連辞関係 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ マルクス 概念の先在 秀さん
#59 概念は「言語」に先立つ 個別概念・普遍概念・特殊概念 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ 概念の先在 観念的自己分裂 観念的追体験
#61 ソシュール用語の再規定  シーニュ・シニフィアン・シニフィエ 語規範・語韻・語概念 概念の先在 音声・音像・音韻 個別概念・普遍概念・特殊概念 観念的自己分裂 観念的追体験
#62 ソシュール用語の再規定  シーニュ・シニフィアン・シニフィエ 語規範・語彙規範・言語規範 語規範・語韻・語概念 音声・音像・音韻 言語とは何か
#63 ソシュール用語の再規定 ラング・langue・「言語」 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ 語規範・語彙規範・言語規範 連合関係・語彙規範・言語規範 語規範・語韻・語概念 音声・音像・音韻
#83 ソシュール用語の再規定 語・内語・語規範 言語・内言・言語規範 思考言語・内言・連辞関係 語音・語音像・語韻 個別概念・語概念 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ 音声・音像・音韻 個別概念・普遍概念・特殊概念
#102 ソシュール「言語学」とは何か 個別概念・普遍概念・特殊概念 価値・意味・意義 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ ソシュール講義録注解 ソシュール
#124 シーニュ・シニフィアン・シニフィエ パラディグム・シンタグム 連合関係・連辞関係 個別概念・普遍概念・特殊概念 概念の先在 言語の意味 観念的自己分裂 観念的追体験 ラング・langue・「言語」
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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年生れ(68歳♂)。国語と理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。現在は39年間続けた自営(学習塾)の仕事を辞め個人的に依頼されたことだけをこなす日々です。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 I』を読む 1(1)――認識論と言語学三浦つとむ『認識と言語の理論 I』

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
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そうして最後になぞがとける
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        朝永振一郎

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