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Author:シカゴ・ブルース

1948年生れ。理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱きつづけています。

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ソシュール『一般言語学第三回講義』を読み始めた

ようやく『一般言語学第三回講義』が届いた。まだ第一部を読んでいるところ。ソシュールの講義を聴講した学生コンスタンタンのノートをかなり忠実に再現したもののようなので、構成が整っているとはいいがたいし、記述が断片的なのは仕方がない。それでも、『一般言語学講義』の断言調のものいいとは違ってソシュールの思考過程が自然に読み取れるのがいい。

しかし、ソシュールの恣意的な用語使いにはやはり悩まされそうな気がするし、訳文は直訳調であまりこなれていない。ただ、原語が併記あるいはルビの形で示されているので、理解しにくい文は仏和辞典に当たって自分で確認できるのは有り難い。

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目次は以下の通り。

フェルディナン・ド・ソシュール『一般言語学第三回講義』

   コンスタンタンによる講義記録
   相原奈津江・秋津伶訳/エディット・パルク

訳者はじめに

序章 〈(言語学史への考察)〉

講義の一般的な分類

 1) 諸言語 2) 言語 3) 諸個人の言葉の能力と実践

第一部 諸言語

 第1章 言語の地理的な相違、その様々な種類と段階
 第2章 地理的な相違、それらを交流可能にする様々な出来事
 第3章 原因から見た言語の(その)地理的な相違
  地理的な連続性での異変、通常の状況と中心部の状況とに分けて考えた場合。
  言語の波を社会的な伝播、または、その領域への波及として考えること。
 〈第4章 エクリチュールによる言語の出現〉

第二部 言語

 言語
 第2章 言語記号の特徴
 第3章 言語を構成する具体的な実体とは何か 
 第〈4〉章 言語の抽象的な実体
 第〈5〉章 言語における絶対的な恣意性と相対的な恣意性
 第4章(前章の続きに挿入)静態言語学と歴史言語学、言語学の二重性
 静態言語学
 第5章〔ママ〕 語彙群の価値と諸語の意味、この二つの混同と区別が、なぜ起こり得るのか
 章〔……〕

蘇るソシュール ――解題にかえて―― 西川長夫

訳者あとがき

この本では langue(ラング)「言語」、langage(ランガージュ)「言葉」、parole(パロール)「言葉」、e'criture は「エクリチュール」としていて、langue については『一般言語学講義』を踏襲している。頭の中で、それぞれ、言語規範、言語・言葉、話し言葉、書き言葉のように切り替えて考えなければならないのは面倒である。むしろ、ルビを見ながらラング、ランガージュ、パロール、エクリチュール…と読んでいく方が混乱しないかも知れない。

しかし、terme(テルム) を「用語」と訳している部分はいいとしても、同じ terme(テルム) の単数形を「語彙」と訳しているところはどうかと思われる。ここは「語」なり「項」なりあるいは「もの」等と訳し分けるべきであろう。複数形を「語彙群」と訳しているところは「語彙」あるいは「語群」とすべきである。(テルム)というルビがなかったら何を言っているのか訳が分からない。これもそのままテルムと読み進める方がいいかも知れない。

いずれにせよ、私にはソシュールは難解である。

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『一般言語学第三回講義』を読んでいる

第一部は、ソシュール以前の言語学についての冒頭部の粗描を除けば、 あとは主として諸社会における言語――言語音・語音という側面から見た――の時間的・空間的(地理的)な変化についての考察である。ここでは比較言語学を修め、諸言語にわたる深い造詣を有していたソシュールの本領が遺憾なく発揮されている。この第一部については首を傾げるところもあるが、多くの部分では異論はない。エクリチュール(書き言葉あるいは書かれた文献)についてのソシュールの敵愾心は比較言語学者としての素朴な本音ではあろうが、書き言葉も言語であり、話し言葉との間で相互に影響しあう関係を保ちながら、そこには密接に関連し補いあう側面と表現形態の相違から来る対立関係とがある、という観点に立てば、三浦が成し遂げたように両者に共通する側面を検討することによって言語そのものの姿が見えてきたであろうと思われる。ソシュールはパロールこそが言葉であるといっていたが、ついにそのパロールについての具体的な研究を成し遂げることなく病没してしまった。残念である。

私が読みたかったのは「第二部 言語」である。 はやる心を押えて第一部を読み終えて――といいつつ本を読むのが遅い私にしては、早くということであるが――、ようやく第二部に入った。初めの方の内容は『一般言語学講義』の「序説 第3章」に対応している。しかし、ソシュールの語りは慎重である。用語の定義にもこころ配りが見られる。まだ最初の十数ページしか読んでいないが、これまでに抱いていた私のソシュール像が崩れていくのを感じている。

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