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存在と対象(1)――存在は対他的である [PC版ページへ]
2006/06/30 03:16

 存在と対象(1)――存在は対他的である

 存在と対象(2)――現象するものは存在する

 存在と対象(3)――非存在という概念

 存在と対象(1)〜(3)をまとめて読む。

 関連:0の概念・マイナスの概念(1)――マイナス概念の形成

 関連:0の概念・マイナスの概念(2)――量概念からの抽象

 0の概念・マイナスの概念(1)(2)をまとめて読む。

存在と対象非対象的な存在とは一つの非存在である(マルクス『経済学・哲学草稿』)。非対象的な存在とは非存在すなわち無である。あるものはその対象を俟(ま)ってはじめて存在となる。なぜなら対象の存在があるものの存在の証であり、存在とその対象とは互いに相手の存在を証し合うからである。


したがってすべての存在は対象的な存在であり、存在するものはすべて対象的・対他的である。また、存在とその対象とは互いに相手の存在を証し合うのであるから、対象的であることは相互に対象的であるということであり、これを比喩的にいえば対象的なものは対称的・対照的であるということになる。また、あるものが他のあるものを対象とするということはあるものが他のあるものと関係するということであるから、関係もまた対称的・対照的である。つまり存在が他の存在と関係するとは、相互に相手の対象となり・相互に相手に働きかけ・相互に相手の媒介となり・相互に相手に影響を与えることである。したがってある存在にとって関係は能動的であると同時に受動的である(能動的側面と受動的側面を同時にもつ)。

存在とその属性あるものは他のあるものつまり相手を俟(ま)ってはじめて自己の存在を証すということは、あるものは他のあるものと関係することによってはじめて自己の属性を現わすということである。そしてこのことは、「相手に対して自己の属性を表現する=相手において自己の属性が映し出される」と同時に「自己に対して相手の属性が表現される=自己において相手の属性を映し出す」ことである。そして「相手において自己の属性が映し出される」ことと「自己において相手の属性を映し出す」こととはともに自己の属性の反映であるから、あるものは他のあるものと関係することによってはじめて相手および自己において自己の属性を現わすということになる。

孤立した存在[即自的な存在]はそれだけでは自己を表現する[自己の属性を現わす]ことはできず、他の存在に対して対象的な存在[対他的な存在]となってはじめてその相手および自己において自己を表現する[自己の属性を現わす]ことができる。つまり、あるものAのある属性Cはある対象Bの存在によってはじめて現われ、そのとき同時にBの属性C’がAの存在によってはじめて現われるのである。たとえば、鉄と酸素とが化合して酸化鉄になるという反応(関係)でみると、鉄においては「酸素は鉄を酸化する(酸素は鉄によって還元される)」という酸素の鉄に対する属性が現われるが、同時に酸素においては「鉄は酸素を還元する(鉄は酸素によって酸化される)」という鉄の酸素に対する属性が現われる。この二つは同一のことを反対の立場から表現したものであり、この二つは酸素の属性を表現していると同時に鉄の属性をも表現しているのである。

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