メイリオ(7)――メイリオのディセンダを変える(改)(PC版ページへ)
2007年12月26日21:07 パソコン>フォント・スキン
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BREAKTTC.EXE, MAKETTC.EXE を使わなくても ttfname3.exe だけでメイリオのディセンダ・アセンダを変更できることが分かりました。「メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える」のコメント欄でRadio-Kさんが教えて下さった方法です。「メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える」の手順よりも簡単で手間も省けますのでその方法を以下にご紹介します。メイリオ改についての情報やスクリーンショット等については「メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える」の記事をご覧下さい。なお、メイリオ(meiryo.ttc, meiryob.ttc)および ttfname3.exe の入手については「ブログ内記事で取りあげたソフト・ファイルのDL情報」を参照して下さい。
以下、(1)~(5)にメイリオ改を作成する手順を示します。
(1) 作業用のフォルダを作成して(たとえば c:\work)、そこに ttfname3.exe と meiryo.ttc, meiryob.ttc をコピーしておきます。以後の作業はエクスプローラを使ってこの作業フォルダ内で行ないます。
(2) meiryo.ttc を ttfname3.exe にドラッグ&ドロップします。これによってフォント情報を読み出した meiryo.xml が作成されます。同様にして meiryob.ttc から meiryob.xml を作成します。
(3) meiryo.xml をメモ帳にドラッグ&ドロップして開きます。Font(0) のブロックが "メイリオ" の情報、Font(1) のブロックが "メイリオ イタリック" の情報です。これらブロックの先頭にある "Header" 情報のうち Ascender, Descender, WinAscender, WinDescender の数値をつぎのように書き換えてから「上書き保存」します。書換え個所は全部で 8個あります。
Ascender="1962" ← "2171" から "1962" に
Descender="-446" ← "-901" から "-446" に
WinAscender="1962" ← "2171" から "1962" に
WinDescender="446" ← "901" から "446" に
meiryob.xml についても同様にして Font(0), Font(1) の "Header" 情報を同じ数値で書き換えて「上書き保存」します。
――Windows7に搭載されたver 6.02 以降のメイリオには Font(2), Font(3) のブロックがあります。これらはそれぞれ Meiryo UI, Meiryo UI Italic の情報です。アセンダの値はメイリオと同じですがディセンダの値はメイリオのものよりも小さくなっています。Font(2), Font(3) のブロックの Meiryo UI 関係の数値を書き換えないように注意して下さい。
(4) メモ帳を開きつぎの内容をコピー&ペーストし、"make.bat" という名前で作業用フォルダに保存します(バッチファイルの名前は何でも構いません)*。
rem --- 書き換えた情報を元にして新しい .ttcファイルを作る。
ttfname3.exe meiryo.ttc meiryo.xml
ttfname3.exe meiryob.ttc meiryob.xml
(5) 作業用フォルダで "make.bat" をダブルクリックして実行します。この結果、meiryo_mod.ttc, meiryob_mod.ttc が作成されます。これらがアセンダ、ディセンダを修正した新しい "メイリオ" と "メイリオ ボールド"、つまり メイリオ改 です。
* バッチファイルを利用しないで meiryo.ttc meiryo.xml をまとめて ttfname3.exe にドラッグ&ドロップし、続いて meiryob.ttc meiryob.xml をまとめて ttfname3.exe にドラッグ&ドロップしても同じ結果が得られます。どちらにするかはお好みで。
こうしてできた meiryo_mod.ttc と meiryob_mod.ttc をそれぞれ meiryo.ttc と meiryob.ttc という名前に変えて Fontsフォルダに上書きコピーし、その後でコンピュータを再起動すれば メイリオ改 が新しいメイリオとして認識されます。Fontsフォルダに上書きコピーする前にオリジナルの meiryo.ttc と meiryob.ttc のバックアップを忘れずに!
もし、このメイリオ改をシステムフォントとして使用しないのなら、オリジナルのメイリオと区別しやすいように meiryo_kai.ttc, meiryob_kai.ttc のような名前にしておいても大丈夫です――私はそうしています。この場合、オリジナルのメイリオは Fontsフォルダからどこか適当な場所に移しておく必要があります――〔追記〕meiryo.ttc, meiryob.ttc のままにしておいた方が無難なようです。
――名前をオリジナルのもとと違うものにすると、Office2010 を使っている場合にメイリオ改がオリジナルのメイリオで上書きされてしまうようです。オリジナルのものと同じならこのような問題は起こりません。
〔追記〕
「メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える」に載せたスクリーンショットをその前後の文を含めてそのまま以下に転載します。
「メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える」からの転載
下はメイリオとメイリオ改(アセンダ/ディセンダを MeiryoKe と同じにしたメイリオ)、および MeiryoKe_Gothic・MS ゴシックの比較です。Internet Explorer と Firefox とではバックグラウンドカラーの表示が大分違いますので比較のために両者を示します。
Internet Explorer での表示
Firefox での表示
ご覧の通りメイリオ改や MeiryoKe_Gothic の場合、line-heightを 130%以下にすると Internet Explorer では上の行と下の行との分離ができません(135%以上にすれば分離できます。Firefox では 120%以上)。メイリオは Firefox では 165%以上、Internet Explorer では 180%以上の line-height を指定しないと上の行と下の行とを完全に分離することができません。なお、MeiryoKe_Gothic系の各フォントとMS ゴシック系の各フォントとのアセンダ・ディセンダの違いについては <メイリオ(4)――メイリオ系フォントのアセンダ・ディセンダ(2)> に載せたスクリーンショットの画像をご覧下さい。
〔2008.01.10 追記〕
ここまでお読みになって、「ちょっと難しそうだな。でもメイリオ改は使ってみたい」とお思いの方がいらっしゃるかもしれません。そんな方のためにメイリオ改をダウンロードできるようにしました。ダウンロードは↓から。
メイリオ改5.00(meiryo_Kai500.zip)をダウンロードします。これを解凍すると meiryo_kai.ttc, meiryob_kai.ttc という二つのフォントファイルが出てきます。これらを Windows\Fonts にコピーします。もし Windows\Fonts フォルダ内にすでにメイリオ(meiryo.ttc, meiryob.ttc)がある場合には、それらをどこか適当な場所に移動・待避させて下さい。あとはパソコンを再起動するだけです。再起動後はメイリオ改5.00 がメイリオ5.00 として認識されます。
メイリオ改6.02(meiryo_Kai602.zip)をダウンロードします。その後は「メイリオ(9)――Windows7版 version6.02, Meiryo UI」にある「メイリオ改をメイリオと置き換える」方法にしたがってメイリオ改をオリジナルのメイリオと置き換えて下さい。
〔2013年5月18日 追記〕メイリオ改6.12(meiryo_Kai612.zip)をダウンロードします。解凍すると meiryo.ttc, meiryob.ttc という二つのフォントファイルが出てきます。これらを Windows\Fonts にコピーします。もし Windows\Fonts フォルダ内にすでにメイリオ(meiryo.ttc, meiryob.ttc)がある場合には、それらをデスクトップなどどこか適当な場所に移動・待避させてからコピーして下さい。あとはパソコンを再起動するだけです。再起動後はメイリオ改 6.12 がメイリオ6.12 として認識されます。
〔2011.02.13 追記〕
当記事に対してにくすさん@『猫と書物とその他諸々』からトラックバックを頂きました(メイリオ・行間の調整)。そこには興味深い内容が書かれています。それは私がこれまでに取り上げてこなかった――アセンダ・ディセンダを MS UI Gothic と同じにした MeiryoKe_UIGothic を作る――ことでした。作業自体は目新しいものではありませんが、私には「アセンダ・ディセンダを MS UI Gothic と同じにした MeiryoKe_UIGothic」という発想はありませんでしたので、ある意味新鮮なショックを感じました。
当面私はその必要性を感じていませんが、いずれその必要に迫られることがあるかもしれません。また、現にその必要を感じておられる方がいらっしゃるかもしれませんので追記の形でご紹介しました。
〔注記〕 Windowsで使用されるフォントファイルは通常の場合 Fontsフォルダ(c:\Winodows\Fonts)に納められています。エクスプローラ等でこのフォルダを開くと、収められているフォントファイルが確認できます(エクスプローラを起動するにはツールバーの「スタート」を右クリックして現れるプルダウンメニューを利用すると簡単です)。
また、 Fontsフォルダ以外に収められているものも含めてインストールされているすべてのフォントを確認するにはコントロールパネルを開いて「クラシック表示に切り替える」をクリックし、そこに表示されている「フォント」フォルダを開きます(どこかにショートカットを作っておくと便利です)。「詳細表示」にするとフォント名の他にファイル名も表示されるので分かりやすいと思います。フォント名あるいはフォントアイコンをクリックすれば Windows Font Viewer が開いてそのフォントファイルについての情報が表示されます。
新しいフォントをインストールするには、普通はこの Fontsフォルダにインストールしたいフォントファイルをコピーしてから Windows を再起動しますが、Fontsフォルダを開いた状態では「ファイル(F)」メニューから新しいフォントのインストールをすることができます。この方法を使うと Fontsフォルダにフォントをコピーしないオプションも選べますし、再起動しなくても新しいフォントが認識されるという長所もあります。
(関連記事)
メイリオ(1)――WindowsXP とメイリオ・フォント
メイリオ(2)――WindowsXP とメイリオ・フォント(補足)
メイリオ(3)――メイリオ系フォントについて(1)
メイリオ(4)――メイリオ系フォントについて(2)
メイリオ(5)――メイリオ系フォント MeiryoKe_Console
メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える
ClearType Tuner(1)(2)
WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)~(6)
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