〔2004.03.03記〕
▼ 認識についての覚書(1)〜(7)をまとめて読む。
〔注記〕 「ことば・認識についての覚書」からの転載です。転載にあたって多少の体裁変更を行ないました。知見としては古いものもありますが大筋は変わっていないと思います。
1. 中枢神経と末梢神経
人間の精神活動である認識に関連する生理器官は主として神経系に属する。認識は脳の機能であるが認識作用には情報(刺激)が必要であり脳には情報の入出力に関わる神経系がつながっている。
神経系は脳と脊髄からなる中枢神経と、中枢と身体各部を結ぶ末梢神経からなる。入力にかかわる感覚神経や出力にかかわる運動神経・自律神経は末梢神経に属する。末梢神経のうち主に頭部にあって脳とつながっているものを脳神経、脊髄とつながっているものを脊髄神経という。
脳神経
特殊知覚神軽(嗅覚・視覚・聴覚の感覚神経)や顔面神軽(表情筋の運動を支配する運動神軽)、外眼筋の運動神軽、三叉神経(顔面の皮膚や歯の知覚を支配する感覚神経および咀嚼筋を支配する運動神経)、舌咽神軽・迷走神軽(喉頭や咽頭、内臓の運動や知覚を支配する神軽)、首や背中の一部の筋を支配する運動神軽などがある。
脳神経は12対あり、このうち嗅神経・視神経・動眼神経・滑車神経は間脳に入り、三叉神経は橋に貫入する。また外転神経・顔面神経・内耳神経は橋の後縁に入り、舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経は延髄に入る。
脊髄神経
頭部以外の感覚器官や筋を支配する感覚神経と運動神軽のほか自律神経もこれに含まれる。これらの一部は独立に走行しているが頚部や上肢、下肢に行く神経集団は互いに交通して神経繊維をやりとりし頚神経叢、腕神経叢、腰仙骨神経叢を形成している。
2. 末梢神経から脳へ(感覚)
入力系の感覚神経系は全身の組織や器官に分布する末端のそれぞれの受容器(感覚器官内)から出た神経細胞(感覚ニューロン)が脳神経あるいは脊髄神経を経由して脳の各感覚中枢につながる。出力系の運動神経系・自律神経系は脳の各運動中枢・各自律神経中枢から出た神経細胞(運動神経ニューロン・自律神経ニューロン)が脳神経あるいは脊髄神経を経て末端の組織や器官に分布するそれぞれの効果器とつながっている。また、内臓や感覚器官の機能を自律的に支配する自律神経には、各器官を興奮ないし活動準備状態にする交感神経と、それとほぼ逆の作用をもつ副交感神経とがある。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚の受容器は人体の頭部にある。これに対して、皮膚や皮下組織にある触覚・圧覚・振動覚・温覚・冷覚・痛覚・筋肉の運動覚・方向覚・深部感覚などの受容器は全身に分布しているのでこれらを総称して体性感覚とよぶ。また、これら視覚・聴覚・嗅覚…などは感覚種とよばれる。
受容器で感知された物理的・化学的な刺激は脳において意識されるもの(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・圧覚・振動覚・温覚・冷覚・痛覚あるいは空腹覚など)と意識・無意識混在のもの(平衡覚・筋肉の運動覚・方向覚など)および意識されないもの(臓器の各種の状態に関するものなど)があり、それぞれの感覚中枢、感覚野の順に分析されそれぞれの連合野において統合される。各感覚情報は必要に応じて運動神経や自律神経の各中枢に適切な刺激を伝える。ただし内臓感覚や意欲覚、息苦しさ・眠気・疲労感などは器官感覚、一般感覚とよばれ、快・不快などの感情を伴うがそれぞれの分別は不明瞭であり、受容器の存在についてもよくわかっていないことが多い。
感覚はそれぞれの感覚種に対応する感覚野において生じたものである。しかし、対象との接触によって生じる刺激は複合的なものであり、各感覚器官が別々の対象からの刺激を受け取ることもある。したがって、形成されるのは単一の感覚ではない。同種の感覚は継起して生じているし、複数の異種の感覚も同時に生じている。一般に対象との接触は互いに関連しながら継起する感覚群を生じる。連合野ではこれらの感覚群が分析され関連づけられ、統合されたものとして知覚(知覚表象)が形成される。現実に目に映るものや音・匂い・痛み…として感じられるものは統合された知覚表象である。
このように認識は感覚器官と外部の感覚的世界の対象(事物・現象)との直接的・間接的接触によって生じた刺激を大脳が知覚することから始まり、各感覚器官と連動する運動神経と感覚神経、さらにこれらと脳との継続的な連携によってもたらされる継起的な知覚によってより高度なより詳細なものになる。
◇◇◇ 2004.03.03/2004.03.06訂正/2004.03.08訂正・追記 ◇◇◇
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