FC2ブログリニューアル(管理画面統合)以来当ブログの表示が遅くなったように思います。リニューアルに関する細かな手直しもまだ続いているようでそのためかどうか分かりませんが当ブログの置かれているサーバー(blog4.fc2.com)はリニューアル以前にくらべてサーバー状況が悪化しています。またリニューアルによって画像などのファイルは記事が置かれているサーバーとは別の専用サーバーに置かれるようになりそのためもあって画像を含む記事の表示に時間がかかるようになりました。
ただし表示に時間がかかるようになったのは主に Firefox* で、IE6.0 ではさほど遅くなったような感じはしません。そこでこの機会に他のブラウザを試してみようと思いました。しかし IE7.0 と Lunascape は以前使ってみてすぐにアンインストールしたという経緯があり、今回は Safari3.1 と Sleipnir2.7 を試してみました。
* Firefox は外部に置かれた画像やスクリプトを読み込むのに時間がかかるようです。外部のファイルを参照していないページの表示速度は他のブラウザとあまり差がありません。リニューアルによってファイルサーバーが外部に置かれたことが Firefox で当ブログを表示したときの速度低下の主たる原因ではないかと思われます。特にここ数ヶ月はファイルサーバーや FC2カウンターのサーバーの不調が頻繁に発生しており、そのときは当ブログの表示が極端に遅くなります。しかも Firefox は他のブラウザよりもその影響が顕著に表われます。
Safari は表示速度とレンダリングの美しさで評判がいいですね。確かに表示は速い。しかしフォントのレンダリングのバランスはちょっと微妙。黒は濃いめで青は逆に薄めに表示されます。フォントスムージングを「弱」に設定すると黒は適当な濃さになり青が少しかすれた感じになります。この状態でもメイリオは Firefox や IE6.0 に比べるとかなり濃い目に表示され文字の周囲が滲んだ感じになります。しかし見慣れればこういう感じも悪くはありませんしヒラギノを使った Macユーザーのブログの表示はきれいです(ヒラギノは IE ではなんとか見られますが Firefox では薄くて読みずらい)。しかし、ユーザーインターフェースは IE や Firefox とはまったく違います。Windowsユーザーにとってはやはり使い勝手がよくありません。もともと Mac のブラウザですからこのあたりはいたしかたのないところでしょう。それにタブブラウザとしての機能は Firefox に比べると貧弱です。というわけでメインのブラウザとしては使えないという結論に達しました。でも画像はきれいに表示されますし、表示速度も速い、超重い livedoorBlog もストレスなく表示される……といった捨てがたい魅力がありますのでアンインストールせずに予備のブラウザとして残しておきます(でもメモリの使用量が多いのが玉に瑕)。
Sleipnir2.7 は上級者用と銘打ったタブブラウザです。初心者用として IE とほとんど変わらないインターフェースを持った Grani 3 というタブブラウザが同じフェンリルから出ていますが、Sleipnir2.7 も初期設定状態で IE と同じ機能はすべて備えていますので拡張された部分はおいおい使いこなしていくつもりで導入すれば「上級者用」ということばを恐れる必要はないでしょう。Sleipnir は IE のお気に入りをそのまま共用することもできますし、読み込んで別のお気に入りを作ることもできます(Firefox のブックマークを読み込むことも可能)。それに Grani 3 はメモリの使用量が多いのでその点でも Sleipnir2.7 の方が優れています。
で、IE から拡張された機能は少しずつ慣れていけばいいとして基本的な機能については満足できるレベルであると思います。表示速度は Safari ほどではありませんが IE と同じくらい、Firefox よりはずっと速い。使っている HTMLレンダリングエンジンが IE と同じ Trident ですから当然ですね。Sleipnir2.7 はインストール時に Gecko エンジンを組み込んで Trident と Gecko をタブ単位で切替えて使うこともできます。ただし Gecko 使用時は機能が限られてしまうので表示テストくらいしか使い道はなさそうです。それに Gecko を使うと表示速度は Firefox 並みかそれ以下になってしまいます*。したがってデフォルトのエンジンは Trident にしておき、Gecko はおまけ程度に使うのがよいと思います。
* この記事で「速い」「遅い」と書いているのは主として当ブログの表示速度に関してです。他のサイトやブログの表示速度に関しては概して Safari が速く、IE6.0 がそれに次ぎ、Sleipnir2.7(Trident), Firefox3β(>Firefox2.0) はさほどの差がないという印象です。個別のサイトの中には Safari や Sleipnir2.7(Trident) よりも Firefox(2.0, 3β) の方が速く表示されるところもあります。
ユーザーインターフェースは IE とほとんど同じで違和感がありませんし、タブブラウザとして必要な機能は一通り備えているので使い勝手に関しては問題はありません。これならメインのブラウザとして十分に使えそうです。メモリの使用量も少ないですし。Firefox にあって Sleipnir2.7 にない機能はサブのブラウザとして Firefox を併用するという形で対処すれば何とかなるでしょう。
というわけで、メインは Sleipnir2.7、サブに Firefox、予備として Safari を使う形でしばらく試してみようと思います。
〔2008.04.23 追記〕
Safari ですが見慣れるとやはりレンダリングが美しい。当ブログは老眼に優しくということでフォントの色を濃い目にしています。そのため Safari で見るととても黒いしボールドがつぶれたように表示されます。しかしネット上のサイトやブログの中には淡い色を使っているところがかなりあり、私の目にはとてもつらいのですが、こういうサイトを Safari で見るとぐっと読みやすくなります。フォントのスムージングが適度に効いていて Trident や Gecko のシャープさに比してマイルドな感じです。ボールドもつぶれがほとんどありません。見慣れるとこれはいいかもしれません。その上画像がきれいです。重いサイトも表示が速くなりスクロールもスムーズになるなど、使い道のあるブラウザかもしれません。ただし、表示速度が速いのは私のような非力なパソコン所有者にとっては非常なメリットですが、最新の高性能なパソコンを使っている方の場合はそれほどの有り難みはないかもしれません。
さらに驚くべき事実が……。まいう~さんのところの「Firefox3追加情報」という記事にあった「液晶ディスプレイとカラーマネージメント」(miyahan.com)というページに行ってみました。そこには3枚の写真が載っているのですが Safari でみるとこれら3枚はまったく同じように表示されたのですが、Firefox2.0 と Sleipnir では3枚の写真の色合いがすべて違っています。なお Firefox3β5 の場合、初期状態では Firefox2.0, Sleipnir と同じでしたが、「Gran Paradiso(次期 Firefox 3)最近の話題」(えむもじら)に載っている方法で "about:config" の "gfx.color_management.enabled" と "gfx.color_management.display_profile" の値を設定したところ3枚とも同じ色合いで表示されました(まいう~さんご教示ありがとうございます)。
カラーマネージメントというのは初めて聞いた概念です。ことば自体は簡単なんですがその中身は奥が深いですね。概要しか理解できませんでした。
(1)
(2)
△ (1) IE6.0, Sleipnir2.7, Grani3, Firefox2.0, Opera9.27。(2) Safari3.1, Firefox3β5。
〔2008.04.26 追記〕
各ブラウザで Yahoo! JAPAN のトップページを見たときのスクリーンショットを下に載せておきます。Safari3.1 の文字がやや小さめであることを除けばあまり差がありません(Safari3.1 の場合、どのページでも文字はやや小さめになります)。どのブラウザで見ても似たように表示されることを意図して作られているのかもしれません。


△ 上段左から順に Sleipnir2.7, Firefox2.0, Firefox3β5、
下段左から順に Safari3.1, IE6.0, Grani 3 での表示です。
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