メイリオ(9)――Windows7版 version6.02, Meiryo UI, MeiryoKe6.02(PC版ページへ)

2009年10月29日21:13  パソコン>フォント・スキン

ブログの更新を怠けているうちにもう Windows 7 が出ていたんですね。もっとも、私は Windows XP 搭載のノートパソコンを昨年新調したばかりなので今のところ Windows7 に移行する予定はありません。また、私に限らずいまだに WindowsXP を使っている方もかなりいらっしゃるように思われます。実際ここ三ヶ月に限っても、このブログを訪問して下さる方の約75%が WindowsXP ユーザーであり、Vistaユーザーはわずか 15%弱にすぎません。訪問者のほとんどがメイリオ関係の情報を求めてめている方たちであるということを考慮しても XP ユーザーが今なおかなりの割合でいることは確かでしょう。

〔2012年11月2日 追記〕まだまだ XP も頑張っているんですね。今年8月のデータ「Windows 7、世界OS市場で初のWindows XP超え──Net Applications調べ」〔ITmedia 2012年9月4日〕。元記事の〔Net Applications〕(Desktop Operating System Market Share)によると、2012年7月~10月のデスクトップパソコン全体における Windows7, WindowsXP それぞれの世界シェアは 7月:42%, 43%、8月:43%, 43%、9月:43%, 41%、10月:45%, 41% となっています。ちなみに2011年8月は 31%, 52% でした。

この記事の目次 

メイリオ ver.6.02

2009年10月29日〕相変わらずのメイリオです。ここしばらく情報収集を怠けていたので気がつきませんでしたが、Windows7 RC版にはメイリオの version6.02 が搭載されていたとのこと――メイリオ 6.02(@『お山へ行こう!』)参照。

〔注記〕メイリオ 6.02(meiryo.ttc, meiryob.ttc) は「ブログ内記事で取りあげたソフト・ファイルのDL情報」に載せたリンク先からダウンロードできます。

〔2010年2月15日 追記〕 Windows Vista および Windows Server 2008 の正規ユーザーに対してはマイクロソフトが公式に メイリオ6.02 へのアップデートを提供しています。

 (1) Windows Vista および Windows Server 2008 向け: x86 版  x64 版

 (2) Windows Server 2008 向け: ia64 版

なお、Windows XP の正規ユーザー向けにはマイクロソフトが メイリオ5.00 へのアップデートを提供しています(2008年5月20日)。詳しくは <メイリオ(1)――WindowsXP とメイリオ系フォント> の「追記」をご覧下さい。

〔2009.11.03追記

メイリオ6.02 で追加されたフォント Meiryo UI

メイリオ 6.02 の meiryo.ttc, meiryob.ttc は メイリオ 5.00 のそれらに比べると、ファイルサイズがともに 4Mバイトほど大きくなっています。中を覗いてみると、それぞれに入っているフォントはつぎのようになっています(括弧内は英文ファミリーネーム)。

meiryo.ttc

 メイリオMeiryo):レギュラー(Regular)
 メイリオ イタリックMeiryo Italic):イタリック(Italic)
 Meiryo UIMeiryo UI):Regular(Regular)
 Meiryo UI ItalicMeiryo UI Italic):Italic(Italic)

meiryob.ttc

 メイリオ ボールドMeiryo Bold):ボールド(Bold)
 メイリオ ボールド イタリックMeiryo Bold Italic):ボールド イタリック(Bold Italic)
 Meiryo UI BoldMeiryo UI Bold):Bold(Bold)
 Meiryo UI Bold ItalicMeiryo UI Bold Italic):Bold Italic(Bold Italic)

ver.6.02 のメイリオには、メイリオ(ttf)に加えて、Meiryo UIという UIフォントが追加されています。このフォントというページを見ると、Windows 7 における Meiryo UI というフォントの位置づけがよく分かります。しかし、Meiryo UI 比較(11pt)を見ると、Meiryo UI がなんとなく中途半端なものに思われます。実際に使ってみると、タイトルバーなどの横幅に余裕のあるところでは MeiryoKe_UIGothic よりは見栄えがするといった程度で、これといって積極的に使えそうな気がしません。見慣れればその良さが分かるかも知れませんのでしばらくいろいろと試してみようと思います。なお、メイリオも Meiryo UI もともにプロポーショナルフォントです。

ttfname3.exe で見ると Meiryo UI のディセンダはメイリオのそれとやや違っています。下手にいじるとおかしなことになりそうなので Meiryo UI のアセンダ・ディセンダには手を加えずに、メイリオの方だけアセンダ・ディセンダを変更したものをつくり、メイリオ5.00 のものと区別するためにファイル名は それぞれ meiryo_Kai602.ttc, meiryob_Kai602.ttc としました。現在はメイリオ(メイリオ改)としてこれを使っています。

〔2009.12.02 追記「メイリオ(3)――メイリオ系フォントのアセンダ・ディセンダ(1) 」の追記で取り上げているフォントのセル高 LineSpacingRate 等を計算してくれる FontInfo.exe というツールを使って Meiryo UI の上下の空隙部分(内部レディング Internal Leading)の割合を調べてみると 27% もあります。メイリオの 50% よりは小さいものの、MeiryoKe_UIGothic の 18% に比べるとかなり大きい(MS UIGothic をはじめほとんどのフォントでは 0%)。このままではあまり使いものにはならないと思います。

〔2009.11.01追記

MeiryoKe ver.6.02

〔注記〕メイリオ6.02 および メイリオ6.02 から MeiryoKe6.02 を生成するジェネレータ――meiryoKe_gen_6.02rev1.exe―― は「ブログ内記事で取りあげたソフト・ファイルのDL情報」に載せたリンク先からダウンロードできます。

メイリオから MeiryoKe_Gothic, MeiryoKe_Console を生成する方法

meiryoKe6.02 を生成するには、メイリオ6.02(meiryo.ttc および meiryob.ttc)と meiryoKe_gen_6.02rev1.exe とを同じフォルダ内に置いて meiryoKe_gen_6.02rev1.exe を実行(ダブルクリック)します。そうすると、そのフォルダ内に meiryoKe_602r1.ttcmeiryoKeB_602r1.ttc(ボールド体)という二つの ttcファイルが生成されます。なお、meiryoKe_602r1.ttc には MeiryoKe_Console も含まれています。

私は最初、meiryoKe_602r1.ttc, meiryoKeB_602r1.ttc がそれぞれ 5.00版の meiryoKeGothic.ttc, meiryoKeGothicB.ttc に相当するものであると思い込んでいたのですが、中身をよく見ると meiryoKeB_602r1.ttc は確かに meiryoKeGothicB.ttc と同じように
 MeiryoKe_Gothic_Bold:等幅(とうはば)フォント・ボールド
 MeiryoKe_PGothic_Bold:プロポーショナルフォント・ボールド
 MeiryoKe_UIGothic_Bold:プロポーショナルフォント・ボールド(UIフォント)
3個の ttf で構成されていますが、
meiryoKe_602r1.ttc の方は
 MeiryoKe_Gothic:等幅フォント・レギュラー
 MeiryoKe_PGothic:プロポーショナルフォント・レギュラー
 MeiryoKe_UIGothic:プロポーショナルフォント・レギュラー(UIフォント)
3個の ttf(TrueType font)だけでなく
 MeiryoKe_Console:等幅フォント・レギュラー(コンソール・エディタ用)
を加えた4個の ttf で構成されています。

つまり、meiryoKe_gen_6.02rev1.exe は MeiryoKe_Gothic と MeiryoKe_Console とを同時に生成するパッチだったわけです。ただし、MeiryoKe_Console(meiryoKeConsole.ttf) は単独で生成されるのではなく、上記のように meiryoKe_602r1.ttc 内に含まれたかたちで生成されます。そして、MeiryoKe_Console はコンソール(コマンドプロンプト)用のフォントとして作られているためボールド体がありません。

このように、MeiryoKe_Console を含むフォントファイルが変わってしまいましたので、メイリオ5.00版の 古い meiryoKe_Console(meiryoKeConsole.ttf) を使っている方が MeiryoKe 6.02 を使う場合は Fontsフォルダから meiryoKeConsole.ttf を削除する必要があります。また、「WindowsXP のシステム・フォントを変更する(1)」の内容に従ってシステムフォントの変更を行っている方が MeiryoKe_Gothic 6.02 を使う場合も、meiryoKe_Console に関するレジストリ内容を下の太字部分のように変更する必要があります。

(メモ4)

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FontAssoc\Associated DefaultFonts]

"AssocSystemFont"="meiryoKe_602r1.ttc
"FontPackage"="MeiryoKe_Console"

なお、「コマンドプロンプトで使用するフォント」のように "MeiryoKe_Console" というフォント名だけを指定している場合にはレジストリを変更する必要はありません。

追記〕「Windows7, 8 のシステム・フォントを変更する」という記事の末尾に「メイリオ・MeiryoKe_Gothic系・MS Gothic系の表示比較画像」を載せました。

ClearType と ClearType Tuner

WindowsXP・液晶ディスプレイ環境でメイリオや MeiryoKe系などの TrueTypeフォントをきれいに表示するには「ClearTypeを有効にする」必要があります。WindowsXPでこれを設定するには次のようにします。――Windows Vista, 7, 8.x の場合はメイリオがシステムフォントになっているため、最初から ClearType が有効になっています。

(1) デスクトップ上で右クリックし、[プロパティ] を選択する。

(2)「画面のプロパティ」で「デザイン」タブを選択し、[効果(E)]をクリックする。

(3)「効果」の二番目の項目 [次の方法でスクリーンフォントの縁を滑らかにする(S)] にチェックを入れ、プルダウンメニューから [ClearType] を選択する。

また WindowsXP, Vista用には、使用している液晶ディスプレイ個々の特性に合わせた最適な ClearType 表示に調整するためのユーティリティ「クリアタイプ・チューナー」がマイクロソフトから提供されています。これについては「ClearType Tuner(1)(2)」をご覧下さい。
――Windows 7, 8.x の場合は、デスクトップを右クリックして「個人設定」を選択→左ペイン「ディスプレイ」→左ペイン「ClearType テキストの調整」から ClearType の調整ができます。

メイリオ改をメイリオと置き換える

〔追記〕大分以前から私はメイリオのアセンダディセンダの値を meiryo_Ke と同じ大きさに書き換えたメイリオ改(meiryo_Kai602.ttc, meiryob_Kai602.ttc)をオリジナルのメイリオ(meiryo.ttc, meiryob.ttc)と置き換えて使用しています*1

置き換える手順は次の通りです――〔追記〕(2), (3) の手順は Windows XP の場合です。Vista 以降の Windows ではメイリオがシステムフォントになっているためこの方法が使えません。Vista, 7, 8 ではシステムフォントなどを移動したり削除したりするには「Windows7, 8 のシステム・フォントを変更する」でご紹介している「Win8のシステムフォントを根こそぎ置き換える方法」(麻太郎さん)に載っているような手続きを管理者権限で実行する必要があるようです。メイリオの置き換えをする手順とバッチファイルについては上記記事の「Windows8.1版のメイリオをインストールする」の項をご覧下さい。

(1) 作業フォルダ上で meiryo_Kai602.ttc, meiryob_Kai602.ttc をそれぞれ meiryo.ttc, meiryob.ttc という名前に変更する。
(2) c:\Windows\Fonts フォルダにインストールされているオリジナルの meiryo.ttc, meiryob.ttc をデスクトップに移動する。
(3) 作業フォルダ内にある meiryo.ttc, meiryob.ttc(中身はメイリオ改)を Fontsフォルダにコピーし、再起動する。
(4) 再起動後、デスクトップに移動させておいたオリジナルのメイリオ(meiryo.ttc, meiryob.ttc)をどこか適当な場所に保管する。

なお(3)の代わりに、Fontsフォルダを開いて「ファイル」のプルダウンメニューから「新しいフォントをインストールする(I)」を選び、作業フォルダ内にある meiryo.ttc, meiryob.ttc(中身はメイリオ改)を指定し「フォント フォルダにコピーする」にチェックをして「OK」ボタンを押す――という方法もあります。再起動しなくても済むのでこちらの方が簡単です。
――〔Fontsフォルダの開き方〕スタートメニューから「コントロールパネル(C)」を開き、「クラシック表示に切り替える」と各種アイコンが現れます。その中に「フォント」というアイコンがあるのでそれをクリック(ダブルクリック)します。

この方法を用いることによって、この記事のコメント欄で水無月さんが触れているような問題点(Office2010 を使っているとメイリオ改がオリジナルのメイリオで上書きされてしまう)が解消されます。

オリジナルのメイリオとメイリオ改との違いは <メイリオ(6)――メイリオのディセンダを変える> に掲載したスクリーンショットの画像(別窓で開きます)を参照して下さい。また、「メイリオ改」の作り方は <メイリオ(7)――メイリオのディセンダを変える(改)> をご覧下さい。

*1 アセンダ・ディセンダについては「メイリオ(3)――メイリオ系フォントのアセンダ・ディセンダ(1)」を、メイリオ改については「メイリオ(7)――メイリオのディセンダを変える(改)」をご覧下さい。

〔注記〕Fontsフォルダとフォントのインストール
Windowsで使用されるフォントファイルは通常の場合 Fontsフォルダ(c:\Winodows\Fonts)に収められています。エクスプローラ等でこのフォルダを開くと、Fontsフォルダに収められているフォントだけでなくそれ以外のフォルダに収められているものも含めてインストールされているすべてのフォントが確認できます(エクスプローラを起動するにはツールバーの「スタート」を右クリックして現れるプルダウンメニューを利用すると簡単です)。なおフォントファイルのうち拡張子が .ttf (True Type Font) となっているのが TrueTypeフォントでその中には1種類のフォント(フォントファミリー)が入っています。また拡張子が .ttc (True Type Collection) となっているフォントファイルには複数の TrueTypeフォント(フォントファミリー)がまとめて入っています。

コントロールパネルから Fontsフォルダを開く:Windows Vista, 7, 8.x の場合はコントロールパネルを開いて「デスクトップのカスタマイズ」から「フォント」フォルダを開きます。
――WindowsXP の場合は、コントロールパネルを開いて「クラシック表示に切り替える」をクリックし、そこに表示されている「フォント」フォルダを開きます。

Fontsフォルダを開いたウィンドウの「表示(V)」メニューで「詳細表示」を選ぶとフォント名の他にファイル名も表示されるので分かりやすいと思います。フォント名あるいはフォントアイコンをクリックすれば Windows Font Viewer が開いてそのフォントファイルについての情報が表示されます。

新しいフォントをインストールする:Windows Vista, 7, 8.x の場合は、インストールしたいフォントファイルが保存されているフォルダをエクスプローラで開き、インストールしたいフォントファイルを右クリックして出てくるメニューから「インストール」を選択します。
――WindowsXP の場合はインストールしたいフォントファイルが保存されているフォルダをエクスプローラで開き、インストールしたいフォントファイルを Fontsフォルダにコピーしてから Windows を再起動します。

Fontsフォルダの特殊性について
2014年4月4日 追記〕C:\Windows にある Fontsフォルダの実体は他のフォルダと同様に単なる一つのフォルダですが、しかしこの Fontsフォルダは Windows のシステム上では特殊なフォルダとして扱われているため、コントロールパネルからこのフォルダを開いたりエクスプローラでこのフォルダを開いたりしたときに現れる内容は通常のフォルダとは違っています*1

通常のフォルダではファイル名が表示されますが、Fontsフォルダの場合に表示されるのはファイル名ではなくフォントの名前(ファミリーネーム)です。「表示方法」を変更して「詳細表示」をしてみると「名前」の欄に表示されるフォントの名前の右に「標準」とか「太字」「細字」「中」あるいは「レギュラー」「ボールド」「メディウム」といったウェイト(太さ)属性が付記されています。しかしその中に他のものとは違ってこのウェイト属性がついていないものがあります。

「フォント スタイル」の欄を見るとそれらのものには複数のウェイト属性が列記されています。つまり、これらのものは「標準(レギュラー)」「太字(ボールド)」あるいは「細字」とか「極太」などの複数のものが揃っていてそれが別々のフォントファイルに収められているということなんですね。

「フォント スタイル」の欄に単独のウェイト属性しか表示されていないものは単独のファイルでできているので名前を右クリックして出てくるメニューから「プロパティ」を選択すればそれが何という名前のファイルに収められているか分かります(フォルダ名も)。

複数のファイルに収められているものは右クリックメニューに「プロパティ」がありませんが「開く」を選択して現れる複数のフォント名をそれぞれ右クリックして出てくるメニューから「プロパティ」を選択することによってそれらのフォントがそれぞれどんな名前のファイルに収められているか分かります。

〔注〕*1C:\Windows\Fonts を他のフォルダや他のドライブにコピーしたものは通常のフォルダとして扱われるため、エクスプローラで開くと他の通常のフォルダと同様にファイル名が表示されます。また、私が使っているシェアウェアの WinFD というファイラーでは C:\Windows\Fonts も通常のフォルダとして扱われているので普通にファイル名が表示されます。あるいはコマンドプロンプトで「dir c:\Windows\Fonts」を実行しても普通にファイル名が出力されます。

〔追記〕 この記事につけられたぬっこさんのコメント(2012/04/05)は内容がちょっと高度ですが、なかなか有用なことがいろいろ書かれています。一読をお奨めします。なお、ぬっこさんがコメントで触れられている SFC.exe というツールについては<Styler 1.401(1)――パッチ当て不要のスキンチェンジャー>(2007.01.20)という記事の追記(2008.01.14)で取り上げています。

〈お詫び〉ぬっこさん、ごめんなさい。すばらしいコメントをして下さったのに気がつきませんでした。フォントリンクにおけるスケーリング指定の件は知りませんでした。情報、ありがとうございます。

 
MeiryoKe_Gothic ver.6.12 / メイリオ ver.6.12

〔注記〕 MeiryoKe_Gothic ver.6.12 および メイリオ ver.6.12 に関する追記は新たな記事「メイリオ(10)――Windows8版 version6.12, MeiryoKe6.12」として独立させました。

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