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2010年07月15日(木)| 社会>政治・経済 |  
『週刊ポスト』官房機密費告発(6)――元NHK官邸キャップが衝撃の告白

『週刊ポスト』2010年7月9日号 p.32 

〈怒りの告発キャンペーン 第6弾〉

 元NHK政治部官邸キャップが実名告白

「私はこうして官房機密費を手渡された」

――「総理外遊先のホテルの部屋に呼び出され、首相秘書官から現金入りの封筒を渡された。驚いて突っ返したら「そんなことしたら仕事ができなくなるよ。あなたの先輩もみんな受け取ってるんだから」といわれた……」

連日、新聞やテレビからおびただしい量の政治ニュースが流されている。もし、それを報じる記者たちが、取材対象である政府からカネを貰っていたとしたら、そのニュースは信じるに値するものなのだろうか。大メディアの根幹にかかわる問題を問うている本誌のキャンペーン。ついに、元NHKの官邸キャップが衝撃の告白をした――。

上杉隆(ジャーナリスト)と本誌取材班 

「お土産代」を渡された

 野中広務元官房長官をはじめ、カネを渡した側の証言は次々出てくるのに、渡された側は口をつぐむばかり――。官房機密費のマスコミ汚染をめぐる歪(いびつ)な状況についに風穴が開(あ)いた。記者クラブメディアの要職に就いていた人物が、自ら体験した官房機密費供与の実態を告発したのだ。

 取材に応じたのは、元NHK記者の川崎泰資(やすし)氏。東大を卒業後1959年に入社。政治部や西ドイツ(当時)ボン支局長、甲府放送局長などを経てNHKを退職後、『NHKと政治』(朝日新聞出版)などの著書で、報道への政治介入を批判した。椙山女学園教授などを歴任し、現在は、NPO法人マスコミ市民フォーラム理事長を務めている。川崎氏は1960年代から官邸担当となり、田中角栄~三木武夫政権においてNHK官邸キャップを務めた。当時、メディアの中で最も身近に機密費と接していた人物だ。以下が川崎氏の証言である。

*

 機密費について見たことも聞いたこともなかったという政治記者がいたら、それは記者としてレベルが低いということ。政治記者というのはインナーサークルに入り込まなかったら一人前じゃないんだから。

 官房長官が記者たちを招待してやる料亭での懇談会は、月に1度ぐらいのペースであったが、出てもカネを払ったことはない。それと、首相の佐藤栄作が外遊したらネクタイを何百本と買ってきて秘書官が番記者みんなに配るとか、そういうことは当然のようにやられていた。要するに、政治家にとっては自分の子分も記者クラブの記者も同じ感じなんだよ。派閥の身内と同じに思っている。これは機密費ではないけれど、派閥の忘年会に参加すれば、テレビや冷蔵庫、洗濯機といろんな品が景品で出ていた。

 これはダメだなと思ったのは、官房長官主催のゴルフコンペ。コンペには官邸から各記者宅にハイヤーを回していた。こんなおかしなことはないと私は参加しなかった。会費はもちろんゼロ。アゴ足つきで全部出るんだから。そうやって記者を飼い慣らしていくんだよ。

 いわゆる官邸による記者の「餌付け」の第一段階である。そして川崎氏は、ついに現金受け渡しの申し出を受ける。

 佐藤栄作首相が1967年に台湾を外遊した際、当時、新聞とラジオ・テレビの記者団があって、私はラジオ・テレビの幹事をやっていた。ホテルに着くと、総理の主席秘書官から部屋に来てくれといわれた。部屋に入ると、彼はいきなり封筒を渡してきた。何だろうと思って見たら100ドル札が入っていた。驚いたよ。今とは違って1ドル=360円だから大変なもんだよ(100ドル=3万6000円。当時、大卒初任給は2万5000円程度のため、100ドルは現在の約30万円に相当)

 それで「何ですかこれは?」と聞いたら、「いや、いや、ともかくお世話になるから、お土産でも買っていったらどうですか」という。「冗談じゃないですよ」と突っ返したら顔色が変わって、「あなた、そんなことをしたら仕事ができなくなるよ」とはっきりいってきた。「心配することはない。あなたの先輩もみんな受け取っているんだから。断わった人はあなたが初めてだ」というんだ。彼は新聞記者出身だったからね。

 到着してすぐで、幹事の役目が務まらなくなるとまずいから、仕方なく「預かります」とした。帰国後すぐにNHKの官邸にいた先輩記者に「あなたから返してください」と頼んだら、もの凄(すご)い形相(ぎょうそう)で睨(にら)みつけてきた。顔が引きつって痙攣(けいれん)していたけど、それでも受け取らせた。そういう時代だったんだよ。

 すでにこの時代から、お土産代を現金で配る「毒まんじゅう」の慣習は確立されていたのだ。さらに当時は、機密費以上に、派閥のカネが記者に蔓延(蔓延)していた。

 他の記者はしゃべらない

 私は福田(赳夫元首相)派の担当だったけど、田中派は滅茶苦茶だった。正月に福田邸にいって帰りに社のハイヤーに乗ったら運転手が「川崎さん、目白に行ってくださいよ」というわけだ。「なんで」と聞いたら、「とにかく行きましょう」という。

 私も角栄を知らないわけじゃないし、相手は総理なんだからそうしようと行ってみたら、角栄邸では記者が乗ってきたハイヤーの運転手に金一封を渡していた。来る車すべてにだよ。何回行っても貰えるんだよ。記者と行くと貰えるってハイヤーの運転手も知っていた。そういうカネの使い方しているんだから、72年の角福戦争では、福田派の政治家から「田中派は担当記者に10万円ずつ渡している、福田派担当の誰に渡したらいいか」と相談されたこともあった。私は止めたけど。

 角栄から三木武夫に首相が代わったときは、官邸の関係者から「(官房機密費の)金庫が空っぽだ」と聞いた。この前の政権交代で起きた河村建夫(元官房長官)の2億5000万円引き出しと同じだよ。

 川崎氏はまた、政治評論家への機密費配布を証言した野中広務・元官房長官にも触れた。

 野中もそういう時代に政治家をしていたんだから。彼がなんで今になって、ああいう風にいうのかわからない。いうのなら全部いうべきだと思うよ。

「国会記者と代議士の関係は、ローマ人と芝居の関係に等しい」とバルザック(フランスの文豪)は200年前にいった。ローマ人とは芝居の隠語で、「サクラ」のこと。政治記者というのは本当に政治家の伴奏者(「伴走者」?)だったとね。それがフランスではなく今の日本の政治記者にあてはまるんだから、本当にどうしようもない。

 川崎氏は最後に、「私は絶対に機密費の受け取りに応じなかったから、こういうことになった」(NHKを中途退社)。だから話せる。他の記者が機密費のことをしゃべらないのは当たり前。悪い記者ならもっとそう。悪いことをしていると思っているからでしょう」といぶやいた。

 記者クラブの官邸経験者が、はっきりと機密費について証言した意味は大きい。NHK広報局はこの件について「把握していません」というが、記者クラブの機密費汚染は確実にあったのだ。

 解説・編集委員は「知らない」

 一方、記者クラブの現役解説委員・編集委員は、いまだにこの問題について一切発言していない。そこで、記者クラブに所属する著明な解説委員・編集委員数名にアンケート調査を実施した(左の表)。聞いたのは「官房機密費が記者クラブメディアの解説委員や記者などに渡されたことは事実か」「自身が受け取ったことがあるか」の2点。

記者クラブメディア著明解説委員・編集委員へのアンケート
機密費が記者に渡されたことは事実か 自身が受け取ったことがあるか
朝日新聞:星浩(編集委員) 弊社の記者が内閣官房機密費を受け取った事実は一切ありません。(朝日新聞)
読売新聞:橋本五郎(特別編集委員) ご指摘のような金品を受け取ったことはありません。それ以外については存じ上げません。
毎日新聞:岸井成格(特別編集委員) 知りません。 ありません。
フジテレビ:和田圭(解説委員) お問い合わせのようなことはありません。(フジテレビ)
テレビ朝日:三反園訓(コメンテーター) そのような事実はありません。(テレビ朝日)
時事通信社:田崎史郎(解説委員長) そういう事実はまったく知りません。 ありません。

 回答はどれも「知らない」「ない」などそっけないものだった。それでも彼らが答えてくれたことは、一歩前進である。

 また、前号で紹介した91年11月から92年12月にかけての機密費の会計記録にも、実はもうひとつ、記者クラブに関連する項目があった。与野党議員のパーティ費や餞別の名目と金額が並ぶなかで、「岩見隆夫パーティ100000」との記載があったのだ。毎日新聞客員編集委員の岩見隆夫氏である。

 これはどういう意味なのだろうか。毎日新聞を通して聞いたところ、以下の回答が返ってきた。

「1992年6月25日、岩見隆夫特別顧問(当時、現客員編集委員)の日本記者クラブ賞受賞を祝う『岩見隆夫さんの受賞を祝う会』で、加藤紘一官房長官(当時)名義で届いた『御祝』と思われます。このことは、2002年4月13日付毎日新聞でも報じています。岩見客員編集委員自身も同20日付のコラム『近聞遠見』で、加藤氏がパーティに来ていた記憶はなく、後日調べたところ祝い袋の束から加藤氏名の『御祝』が見つかったこと。官房機密費からの支出と知る由もなかったこと、また祝い金も含めた会費がパーティ費用に充てられ『ふところにしたわけではない』ことなどを書いています。

 ようやく記者クラブ側も、この問題の説明責任について、自覚し始めたようだ。

『太田総理』が特集

 さらに、テレビ局の内部でもついに追及の手が挙った。6月18日、日本テレビ系『太田光の私が総理大臣になったら……秘書田中。』で、官房機密費のマスコミ汚染問題が特集されたのだ。

 番組側は当初、政治評論家ら10数名に出演を依頼したものの、どうしたわけかほとんどの方に断わられたという。理由は、「興味がない」「その内容では出演しない」「その話は無理」など。結局、出演したのは政治評論家の有馬春海氏と私の2名のみだった。私は米国出張中で、海外からの衛星中継での出演だった。。

 有馬氏は、「(かつて)支持率の下がったある政権の支持者から、『ウチの方からマル(おカネ)出てるかな?」という電話が来た。しかも、(私に)幹事をしてジャーナリストらに(カネを)回してもらえないかという。そんなことできないでしょう」と、記者へのカネの配布役にされそうになった体験を語った。

 爆笑問題・太田光氏は、「マスコミが報道しない、メディアが口をつぐんでいるということになれば、日本のメディアは全部駄目ということになる。俺はその中にいて、どうしてもそうは思えない。いままでに『太田総理』でこういって欲しいといわれたこともない」と発言。私が、「それならなぜいつもは出演するマスコミの人たちが、10数人も出演を断わったんですか? おかしいと思いませんか?」と問うと、太田氏も「それはおかしいと思う」と認めた。

 いずれにせよ、私を出演させたこの特集が放送されたのは、これまでの黙殺ぶりを考えれば画期的なことだ。とはいえ、「日テレは至急内部調査せよ」などのより重要な私の発言の大部分がカットされたのは残念だ。

 それにしても、出演を断わった10数名の政治評論家らは、まだ事態をわかっていないらしい。機密費という公金を受け取っていたことがわかれば、即刻筆を折るのが世界のジャーナリストの常識である。いま、「政治とカネ」で説明責任を果たすべきは、小沢一郎でも鳩山由紀夫でもなく、我々ジャーナリストなのだ。

 私自身の経験もいっておこう。かつて、官房長官になったばかりのある政治家と会食した際、帰り際にお土産を渡された。お土産まで拒絶するのは関係を悪くするだけだ。私はいつも「同額返し」の形を取る。関係をイーブンに保つため、会食代や貰ったお土産と同額分のお土産をこちらからも渡すのだ。

 その際もそうしてお土産を持って帰ったところ、紙袋の脇に現金の入った封筒を見つけた。厚さから見て50万円ほどだったはずだ。慌てて夜中に返しに行った。

 政治記者やジャーナリストには、否応なく機密費の誘惑が付きまとってきた。問題は、それに手を染めるかどうかだ。川崎氏に続く、勇気ある告白を待ちたい。

〔注記〕 2010年7月14日に行なわれた岩上安身さんによる「官房機密費・メディア汚染問題で孤軍奮闘する上杉隆氏を応援するUstインタビュー」の中で、上杉氏は機密費関係のことだけでなくご自身の経験についてもいろいろ語っています。また、川崎泰資元NHK官邸キャップの告白に関しては岩上さんも別の情報を披露しています。2時間30分余にわたる長いインタビューですが、ざっくばらんな対談のように展開されたお二人の掛け合いはとても面白く、お話の内容も非常に興味深いものでした。上記リンク先はその録画です。未見の方はぜひとも見て頂きたいと思います。上杉隆さんの個人的な経歴やお人柄を知る上でも大変有益な動画です。

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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年生れ(68歳♂)。国語と理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。現在は39年間続けた自営(学習塾)の仕事を辞め個人的に依頼されたことだけをこなす日々です。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 I』を読む 1(1)――認識論と言語学三浦つとむ『認識と言語の理論 I』

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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