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2010年08月01日(日)| 社会>政治・経済 |  
『週刊ポスト』官房機密費告発(9)――「上杉隆と本誌取材班」を攻撃する動きが顕在化

『週刊ポスト』2010年7月30日号 

〈怒りの告発キャンペーン 第9弾〉

 官房機密費マスコミ汚染問題

 二転三転する「機密費」発言、どれが真実なのですか

 私を「嘘つき」呼ばわりした政治評論家三宅久之氏に再び質す

官房機密費とは、そこまでのタブーなのか。機密費問題で取り沙汰されるのを嫌がるマスコミ人の間では、「上杉隆と本誌取材班」を攻撃する動きが顕在化してきた。だが、ここで追及を止めれば、疑惑は再び闇に消える。受けて立つしかあるまい。

申し訳けありません。平成22年7月19日発売の7月30日号は、他の記事に読むべきものがなかったので購入しませんでした。しかし幸いなことに、7月30日号のキャンペーン記事が『阿修羅』に転載されておりました。

というわけで『阿修羅』の<私を「嘘つき」呼ばわりした三宅久之氏に再び質す。二転三転する「機密費」発言、どれが真実なのですか『週刊ポスト』7/30号>から下に再転載しておきます。

なお、7月11日に放送された讀賣テレビ系『たかじんのそこまで言って委員会』における上杉隆氏と三宅久之氏の「官房機密費」についての「論争」に関して、スタジオ収録直後に「上杉氏による反論」を「委員会」編集部がノーカットで収録した動画(<【無料動画】「官房機密費問題」上杉隆の反論[2010.07.18]>)があります。上記『阿修羅』の記事と合わせてご覧下さい。

『週刊ポスト』7/30号から 

上杉隆(ジャーナリスト)と本誌取材班 

 なぜ多くのマスコミ人は、官房機密費について聞かれると途端に冷静さを失ってしまうのだろうか。

 7月11日に放送された讀賣テレビ系『たかじんのそこまで言って委員会』では、政治評論家の三宅久之氏が私に対して激高する一幕があった。番組のテーマは「金融業界の闇と改正貸金業法」だったが、収録中に三宅氏が突然、私に向けて機密費の問題を持ち出した。なんと、5月28日号の『週刊ポスト』に掲載された自身のコメント(※)について、「取材を受けていない」というのだ。

三宅 君は僕に改めてインタビューしたことが1回でもあるか。1回もないじゃないか。この番組でやった(5月16日放送)以外に機密費の話をしたことがあるか。勝手に君、記事を作ってだね。改めてインタビュー申し入れたら三宅がこういう風に述べた(と書いてある)。どういうことなんだ。まったく事実に反することじゃないか!

上杉 よく読んでください。私と『週刊ポスト』取材班でやってる仕事です。それはどうしてかというと、特に対象者が広いので、分担してチームでやってるんですね。

三宅 それなら「私」と書くな! 「私」じゃないじゃないか。チームじゃないか。チームの誰かが聞いてるんだろう。そういう卑怯なこというなよ。チームでやってるから俺は関係ねえなんて。何をバカなこといってんだ。関係ないことないじゃないか!

上杉 じゃあ三宅さんは、いままでの取材も含めて全部一人でやったんですか!

三宅 みんな一人でやりますよ。

 断わっておくが、ポストの当該取材について「私」とは書いておらず、記事冒頭にはきちんと取材班とのチーム取材であることを明記している。さらに私は「チームと無関係だ」などとは一言もいっていない。

 さらに三宅氏は過去の私の記事を引き合いに出し(これについては場を改めて反論する)、「気をつけなさいよ君」「一人前のジャーナリストみたいな顔するものじゃありません」「君の書いていることはいいかげんだと思われるんだよ」とまでいい放った。

 なおも三宅氏の暴走は止まらない。

三宅 取材班も何も(私は取材)されたことはないよ。ありません。されたのは、『週刊文春』の記者から電話があったことは事実。

上杉 ポストですよ。

三宅 『週刊文春』の記者からは機密費問題でインタビューがあったよ。それ以外、『週刊ポスト』から取材を受けたことはありません!

 こうして私の反論も聞かずに三宅氏が一方的に怒鳴り散らした後、右下に小さなスーパーが流れた。

〈※ 収録後、番組から週刊ポストに確認したところ、「三宅氏に電話取材した記録は、ある」との返答。三宅氏は、ポスト側が後日示した情報を元に「自分が電話で話した内容だ」と認めたものの「記者は、ポストとは名乗らなかった」と反論〉

 この期に及んで「ポストとは名乗らなかった」とは……。収録で三宅氏は、私を「嘘つき上杉」とまで罵った。そこまでいうならば、どちらが「嘘つき」か、はっきりさせようではないか。

 ちなみにこの件について『週刊文春』編集部は、「編集部では確認できませんが、記者が質問はしたのかもしれません」と答えている。

「機密費とは思わなかった」

 いうまでもなく、取材内容を捏造したとなれば、それはジャーナリズムにとって死活問題である。事実、7月11日の放送中から、私のツイッターには、「嘘つき」「謝罪しろ」といった誹謗中傷が相次いだ。番組中のスーパーに気付かなかった、あるいは見逃した視聴者や目の不自由な方は、いまだに私と『週刊ポスト』が取材をでっち上げたと思い込んでいる状態だ.こちらとしても反論しないわけにはいかない。

 そこでここに、5月10日に『週刊ポスト』記者が三宅氏に対して行なった電話取材の録音記録を公開する。

 まず、三宅氏は本誌記者の「『週刊ポスト』記者の●●と申します」という自己紹介に、確かに「はいはい」と答えている。これをもってもまだ、「名乗っていない」と言い張るつもりなのだろうか。

 このとき記者は、「機密費配布先リスト」に三宅氏の名義が書かれていた件について聞いた。

「それ(官房機密費)については、私も問い合わせを受けるのだけども、それ(流出したリスト)は藤波(孝生)さんのメモだというんだな」(三宅氏、以下同)

※小誌5月28日号で掲載した三宅氏のコメントの主要部分は以下の通り。

「第2次中曽根康弘内閣で官房長官になった藤波孝生は早大の後輩で、『急に忙しくなって、約束していた2つの講演ができないので、代わりにやってくれませんか』と頼んできた。引き受けることにしたら秘書が100万円を持ってきた。藤波のポケットマネーだと思って受け取りました。領収書も書いていない。しかし、内閣からカネをもらったことは一切ない」

 藤波孝生氏は三宅氏の大学時代の2年後輩で、第2次中曽根内閣の官房長官となった人物だ。

「私の赤坂の事務所に彼が直接電話を掛けてきて、『先輩、プライベートなことでお願いがあります』と」

 三宅氏は藤波氏から、後援会の新年会など2つの講演の代役を頼まれ、引き受けたという。

「そしたら、議員会館の彼の秘書が、100万円を届けに来たんですよ。『これで、往復の旅費込みでお願いします』といって。そういう話なんですよ」

 封筒は藤波事務所の封筒だったという。

「内閣なんかの封筒ならばね。私も、『えっ、内閣機密費か』なんていうんだろうけど。全くそんなことを思わずに、『はい』って、受け取ったことがあるだけでね」

 ちなみにこのカネについて三宅氏は、領収書を書いていない。「だって、ポケットマネーみたいなものだと思ったから」という。これこそ、「政治とカネ」の問題である。内閣官房からの領収書不要のカネは、機密費である可能性が限りなく高い。そしてまた、この受領したカネを仮に納税申告していない場合は、所得税法違反の疑いさえある。  取材記録に戻ろう。三宅氏は続けて、野中広務氏の発言についても反論した。

「僕は、大変憤慨している。そういうことをいうのなら、誰に渡したのか、いえっちゅうんですよ。誰と誰に渡したんだ、と。(中略) 私は野中から菓子折り一つもらったことがない。そういえば、新幹線の車内で野中にたまたま会ったとき、『もらいもので失礼だけど、いかがですか』と、1000円か2000円ぐらいのおみやげをくれたことがあっただけで。野中からカネなど全くもらったことがない」

 

三宅氏は取材に応じない

 ここでポストの記者は一度電話を切ったが、ある疑問点が浮かんだ。かつて『週刊現代』(01年8月11日号)が機密費について報じた際、三宅氏の「中曽根内閣の時に税制調査委員会に入るよう頼まれて断わりましたが、そのときに『そうおっしゃらないで』と100万円持ってきましたよ。知恵を出した謝礼として受け取りました。機密費かどうかは分かりませんよ」とのコメントを掲載していた。先ほどの取材内容と同時期のことと考えられる。証言の食い違いについて、確かめなければならない。記者は改めて電話した。

「僕はそんなことを答えた記憶はないよ。だいたい、税制調査会の時は、いってきたのは、藤波だったかもしれないけど、中曽根さんの強い意向だということで、(中略)断わったということはない。最初からメンバーですよ。そんな、(断わって)謝礼を受け取ったなんて事実無根です」(編集部で確認したところ、中曽根内閣当時、三宅氏は税制調査会の特別委員を務めていたことがある)

 そういうと、三宅氏は機密費について新たなエピソードを明かした。

「僕はさっき、いいにくいからいわなかったんだけど、伊東正義さんが、大平内閣の官房長官になったときに、(伊東氏)本人が私の事務所に、(現金を)持ってきたことはあったんですよ。額は知りませんけどね。私は伊東さんとは、もともと知っている仲だからね。だけども、『私はそんなもの受け取るわけにはいきません』と断わったら、『ああ、そうですか』と、彼は世間話をして、帰っていった。伊東正義さんという人は清廉潔白な人というイメージがある人だからね。だからあまりそんなこといいたくはないんだけどね」

 記者が二度にわたって電話取材し、いずれも『週刊ポスト』と名乗ったことはしっかり録音記録に残っている。いつまで三宅氏は、「名乗っていない」などという無茶な強弁を続けるつもりなのだろうか。

 そもそも、私は以前の『たかじん』の番組でも三宅氏に直接質問し、取材も依頼し、今回の収録後も編集部を通じて対談を打診している。ところが、三宅氏は「下品な上杉」「下衆の勘ぐりをするポスト」の取材は受けないとの一点張りだ。

 しかし今回の件は、三宅氏の方からテレビという公の場で聞いてきたことだ。

 都合の悪い時は質問から逃げ回る割には、テレビカメラの前だと途端に威勢がよくなる。そうした「下品」な行為を繰り返しているのはどちらの方なのか。二転三転する機密費についての発言のどれが真実なのか。

いずれにせよ、「嘘つき」呼ばわりされた身としては、三宅氏にこそ「嘘つき」という言葉をそのままお返ししようではないか。

訂正 小誌7月23日号の新聞広告に「朝日新聞論説委員は〝大炎上〟」との記述がありましたが、「論説委員」は「編集委員」の誤りでした。訂正いたします

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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年10月生れ(74歳♂)。国語と理科が好き。ことばの持つ意味と自然界で起きるできごとの不思議さについて子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。長い間続けた自営(学習塾)の仕事を辞めた後は興味のあることに関して何でも好き勝手にあれこれ考える日々を過ごしています。千葉県西部在住。

2021年の2月下旬から海外通販(日系法人)を通じてイベルメクチンのジェネリック(イベルメクトール:インド Sun Pharma 社製)を購入し、定期的に服用しています。コロナワクチンは接種していません。

ツイッターは okrchicagob(メインアカウント)、または Chicagob Okr(サブアカウント)。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 第一部』 1章(1) 認識論と言語学との関係

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