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2010年08月10日(火)| 社会>政治・経済 |  
『週刊ポスト』官房機密費告発(11)――鈴木宗雄元官房副長官が重大発言

『週刊ポスト』2010年8月13日号 p.38 

〈怒りの告発キャンペーン 第11弾〉

 権力中枢にいた「すべてを知る男」がメディアと官邸の腐った関係を暴露する

 鈴木宗男(元官房副長官)が官房機密費マスコミ汚染問題で重大発言

 「うん、確かにあった 政治評論家を呼んで 20万とか30万とか」

野中広務氏が官房長官時代に、官房副長官を務めていた鈴木宗男衆院議員。政治とカネの表とウラを知り尽くす彼が、ついに機密費によるマスコミ対策について語った。

上杉隆(ジャーナリスト)と本誌取材班 

 久々に、野中広務氏が官房機密費について口を開いた。7月28日、関西テレビ『スーパーニュースアンカー』の生放送に出演し、元共同通信記者で現在、独立総合研究所代表の青山繁晴氏と評論家の宮崎哲弥氏の質問に答えたのだ。「機密費を評論家に配った」「田原総一朗氏だけは受け取りを拒んだ」――4月の証言以降、機密費問題について沈黙を続けてきただけに、発言に注目が集まった。

 しかしその内容といえば、「個人の名誉を傷つけてはいけませんから」という理由で個人名は挙(あ)げず、なんら説明責任を果たすことはなかった。

 その代わりに飛び出したのが、私個人への「名誉毀損」の発言だ。「私はね、上杉さんっていうのはね、無責任だと思うんです。私にね、いっぺんもですね、インタビューなんかしたことないですよ。(中略)顔もみたこともない。(中略)だけど、都内の電車のつり革(広告)にはですよ、『野中広務激白』とか私の名前が出ているんですよ。迷惑至極でしてね」――なぜか野中氏は矛先(ほこさき)を私に向けた。

 これは明らかな事実誤認だ。まず、野中氏には『週刊ポスト』を通じて取材依頼をしているし、私自身も直接携帯電話をかけ、あるいは関係者を媒介させるなどして、野中氏に取材に応じるよう呼びかけてきた。それに応じなかったのは野中氏ではないか。しかも、私はこの番組にビデオ出演しているが、それは当日の生出演やスタジオ見学、あるいはサブルームでの待機といった私の要望を関テレ側から拒否されたからだ。

 また、中吊り広告の件は、『週刊ポスト』5月28日号の「野中広務氏が暴露した『官房機密費』配布先リスト公開」というコピーを指すのだろうが、激白という言葉はないし、そもそもこれは編集部がつけたもので、私とは一切関係がない。さらに野中氏の指摘する記事は私が書いたものではない。中吊りを読むと混同するが、野中証言を中心に扱った同号の別記事と、私が書いた機密費配布リストの記事は関係がない。つまり野中氏は、書いてもいない記事、無関係の記事で私を攻撃している。

「顔をみたこともない」という発言にいたっては、愕然とする。鳩山邦夫氏の秘書時代から何度も同席しているし、そもそも09年1月21日放送のTBS系『久米宏のテレビってヤツは!?』で共演しているではないか。映像で確認してみれば一目瞭然だ。

 事実を歪(ゆが)めて公共の電波で個人を中傷するのは、それこそ野中氏のいう人権侵害に他ならない。野中氏は発言を速やかに訂正し謝罪すべきだ*。

* 後日、関テレ『スーパーニュースアンカー』において「野中氏の上杉氏非難は間違いであった」旨の訂正放送がなされた。

 政治部長に10万の車代

 さて、誤情報を出してまで私を批判した野中氏の真意は定かではないが、本題から外れる話はこれぐらいにして、官房機密費マスコミ汚染問題に戻ろう。今回は、野中氏が官房長官時代(小渕恵三内閣)に官房副長官を務めた鈴木宗男氏が、インタビュー取材に応じた。

 鈴木氏は、7月21日、22日に放送されたTBS系『NEWS23X(エックス)』に登場し、官房機密費に関して踏み込んだ発言をした。「歴代の総理経験者に夏冬1000万円ずつ」「98年の沖縄知事選で3億円使った」――ところが、肝心のマスコミ対策については、なぜか触れずじまいだった。理由は鈴木氏いわく、「(TBSから)聞かれなかった」からだという。ならば私は当然、マスコミ対策に絞って話を聞いた。

上杉 副長官時代の記憶で、マスコミ側に機密費が渡っていたことがありましたか。

鈴木 私が聞いているのは、例えば、総理と政治部長さん方の懇談だとかなんかが定期的にあるでしょう。そういうときは、お車代、お土産をつける。

上杉 野中さんとは別の官房長官経験者に聞いたら、当時、懇談のあとのお土産代というのは、その店のお土産プラス、封筒のお車代を入れていた。10万とか30万とか、それぐらいの額でしたか。

鈴木 そうですね。10(万円)だとか、聞いたことはあります。これも、申し送りというか、一つの慣例になっていたと思います。

上杉 政治評論家の場合は個別でしたか。

鈴木 評論家の人でも、何日が空いてますよなんて官房長官にいってくる場合は、要するに向こうからのサインと受け止める。

上杉 サインというのは?

鈴木 こちら側としては何か希望しているなっていうことを。それはもう、あうんの呼吸ですね、いってみれば。

上杉 これも野中さんではない別の官房長官の経験者がいっていたのは、50万とか、あるいは100万とか……。

鈴木 それは、人によってですよね。それなりのランクがありますからね。あと、OBの評論家には、例えば後援会の演説会の講師を頼むだとか、ありますね。

上杉 勉強会みたいな形で官邸などに呼んで。

鈴木 よく官邸で、そういった専門家を何人か呼んで、世論の動き、情勢を教えてもらったりすることがあります。

上杉 謝礼は?

鈴木 お車代として謝礼を出すのは慣例ですね。20万とか、30万だとか、そのぐらいではなかったかと聞いております。

上杉 外遊にいったときに、記者たちに現金が機内で配られたという慣習についてはどうですか?

鈴木 聞いたことがあります。

上杉 それは、具体的には、機内で配るのが一番一般的だったんでしょうか。

鈴木 それもあるし、あと、事務的に(記者団の)幹事さんに渡すとかね。

上杉 それで幹事が各記者に分配する。その額っていうのはどのくらいですかね。

鈴木 金額は聞いていませんが、これも慣例だと思います。

上杉 そういう申し送りは、当時、ノートで。

鈴木 引き継ぎは、私が聞いているところでは、ノートを書き写しして、また、次の政権にもノートに書き写しで引き継ぐということです。

 ただし、私は見てません。これは、官房長官秘書官が行なっていると聞いています。

上杉 前任者はシュレッダーにかけたりするといいますね。その現金配布先を記した引き継ぎノートについて、野中さんは沖縄での講演で「評論家に盆暮れ500万ずつ」といっていました。額についてはちょっと疑問ですけど。

鈴木 私はちょっとわからんですね。それはよっぽど特殊な人でないと、ないでしょうね。

上杉 あと、野中さんは、新築祝いで小渕首相(当時)に3000万円を要求してきた政治家出身の評論家がいたと。

鈴木 うん。そういう話はありましたね。当時。けど、首相は出さなかったと聞いております。

 取材メモはグルグル回る

鈴木 ただ、野中先生もちょっと勘違いしてる部分があると聞いています。

上杉 それは、配った金額にしても。

鈴木 配った金額とか、あるいは、機密費がいくらあったかっていう話なんかでも。

上杉 そうなんですか。勘違いっていうのはどのあたりなんですか。

鈴木 (野中氏は)月に機密費を5000万円使ったとかっていうふうにいっている。実は、事務方にお金を金庫に入れて補充させる。これが月に2回なんですよ。だから、7000万円が2回だと、月に1億4000万なんですよ、実際には、同じく、国会対策委員長に月に500万といっているが、これも実は1000万と聞いています。

上杉 ええ、ほんとは1000万だと、別の証言者からも聞きましたが。

鈴木 はい、はい。あと、首相には1000万持って行ってないですね。小渕総理の時はだいたい月1回ですよ。外遊のときに、お土産代とか、あくまで必要経費として1000万持ってったんですね、これは。ちなみに野中先生は私が出演した『NEWS23X』の放送後、電話をかけてきましたよ。私のインタビュー中に野中先生の写真が後ろに写されたらしく、「自分が指示しているような印象を持たれた」と。

上杉 『ポスト』では、現場の取材メモをメディア幹部たちが官邸に、「上納」してたという話も書いたんです。

鈴木 メモっていうのはもうグルグル回りますから、だれでも入ってくるんですよ、それなりの地位にいれば。番記者を通じて全部入ってきますよ。お金も何も要りません。1回、全部、キャップ、デスクにあがるわけですから。

上杉 で、キャップ、デスクの方から官邸側に渡る。だから、どこの社がどういう取材をしているかっていうのは官邸側は大体……。

鈴木 把握してますよね、それは。マスコミは反権力を謳(うた)いながら、みんな権力に乗っているんですよ。

 野中氏は『アンカー』で「現職の記者に渡したことはありません」と発言したが、鈴木氏の証言を聞くにつけ、90年代末当時においても、記者クラブ幹部への機密費接待が続いていたことは疑い得ない。ぜひとも野中氏の反論を聞きたいものだ。

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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年10月生れ♂(2024年4月1日現在75歳)。千葉県西部在住。国語と理科が好き。ことばの持つ意味と自然界で起きるできごとの不思議さについて子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。長い間続けた自営(学習塾)の仕事を辞めた後は興味のあることに関して何でも好き勝手にあれこれ考える日々を過ごしています。

2021年の2月下旬から海外通販(在台湾日系法人)を通じてイベルメクチンのジェネリック(イベルメクトール他)を購入し、定期的に服用しています。コロナワクチンは接種していません。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

ツイッター(X)は okrchicagob

なお、イベルメクチンについては「ヒカル イベルメクチン服用体験」というヒカルさんのツイッター(X)が参考になります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 第一部』 1章(1) 認識論と言語学との関係

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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