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2011年07月09日(土)| 科学>発酵 |  
乳酸菌を培養する(5)――〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす

今朝、飯山一郎さんの掲示板を見にいってびっくり。なんと、乳酸菌拡大培養の「秘法」をあっけらかんと語っているではありませんか。「秘法」とか「秘訣」とかというものは存外単純なものであることが多いのですが、この「秘法」もそうですね。しかし、それを発見するのはなかなか大変なこと。何度にもわたる仮説構築と実験、試行錯誤の繰り返し。そんな中で諦めずに努力した結果、得られるものです。

飯山さんが発見した「拡大培養の秘法」も飯山さんがご苦労なさって発見したものだということです。飯山さんもおっしゃっているように「コロンブスの卵」なんですね。分かってしまえば簡単なこと。しかしひょんなことからそれは公開されました。でもこの「秘法」、飯山さんご自身ツイッターではすでに何度か何気なく示唆していらっしゃいましたね。掲示板の投稿と、「秘法」に触れた飯山さんのツイートを載せておきます。

125:飯山一郎 :2011/07/07 (Thu) 23:43:52

グルンバを使うと,3~5倍の加速度で乳酸菌の拡大培養ができる.
だから3000トンや5000トンの乳酸菌を培養することなど簡単だ.
しかも,培養コストは1000円/トン.つまり1リットル1円だ.
EMが1リットル400円から1000円だから,驚異的な低コストだ.
なにより,こんなに大量の乳酸菌を培養できるシステムは世界にない.
ところが,問題があって,3~5倍で拡大培養していくと,ある時点,
ある段階で,乳酸菌が劣化してしまい,最悪の場合は全滅してしまう.
これを防ぐ方法に気づくのに,私は5年もかかった.

ところがである.
電柱でござる氏! この御仁は,いとも簡単に「秘法」を発見してしまった!
すなわち,
「なお、拡大培養中、米とぎ汁の原液乳酸菌を少量ずつでも混ぜておくと、品質が劣化しないようです。」
つまり, 
拡大培養の際,あらゆる段階で,新鮮な原液の菌体を混入するのだ.
これだけでいい.
コロンブスの「秘法」である.
この「秘法」を,私は,平均1000万円で売ってきた.
しかし,嗚呼,いま,「秘法」は,「衆知」になってしまった.

これでいいのだ.
将来,必ず!
みんなが力を合わせ,数百万トンの乳酸菌で関東と東北を浄化する
日が来るのだから….

飯山一郎さんの関連ツイート 2011年04月27日(水) 

@mikstar15 米のとぎ汁から培養した乳酸菌液を二次培養することは可能です.それは,最初の米のとぎ汁が良く発酵してPhが3.8以下になったら,黒砂糖3%,粗塩0.5%の溶液で倍に薄めて拡大培養していく方法です.ただし拡大する度に,新鮮な米のとぎ汁を少々加えることが必要です.

posted at 17:08:21

飯山一郎さんの関連ツイート 2011年06月03日(金) 

米とぎ汁の拡大培養.良く発酵した米とぎ汁を「種菌」とする.新しい米とぎ汁に黒糖3%,粗塩1%,ニガリ1ccを溶かした「栄養水」.「種菌」と「栄養水」を1:1で混ぜる.3日後「拡大培養液」が出来上がる.これを風呂に入れてNY.風呂水は無交換で20日使える. @WahahaYukie

posted at 23:56:28

@WahahaYukie ←写真見ました.あなたは玄米乳酸菌は大成功です.豆乳ヨーグルトも成功するでしょう.今後は毎日安定して甘酸っぱい豆乳ヨーグルトが食べられるように,同時に玄米乳酸菌を拡大培養(黒糖3%粗塩1%の新しい玄米とぎ汁を足していく)して乳酸菌風呂を目指して下さい.

posted at 21:08:44

最後に、掲示板でこの「秘法」を漏らしてしまった、電柱でござる氏の投稿を引用します。

124:電柱でござる :2011/07/07 (Thu) 22:50:58

乳酸菌拡大培養法

二倍に増やすなら簡単です。

水と乳酸菌原液を一対一の割合で混ぜ、黒砂糖と粗塩適量を入れ、攪拌しておけば、翌日にも原液と同じ濃度になっています。

20Lのポリタンクなら、10Lの水と10Lの乳酸菌液を入れ、黒砂糖5片と粗塩小さじ1杯を加えて攪拌します。

浴室に2日置いたら、味も匂いも、原液と変わりません。

10Lを乳酸菌風呂に追加投入し、ポリタンクにはお湯を足しておきました。もちろん黒砂糖と粗塩もです。

ポリタンクをもう一個増やせば、2日後には、40Lの乳酸菌液が出来あがります。

置き場所さえあれば、80L、160L、320Lと、一週間で増やすことができます。

あればですが。

なお、拡大培養中、米とぎ汁の原液乳酸菌を少量ずつでも混ぜておくと、品質が劣化しないようです。

実は私も拡大培養の栄養液(栄養水)にはデンプンは必要ないのではないかと思い始めたところです。そんなわけで昨日、米粉を入れず、しかも米ぬかの量も半分にした2倍拡大培養の実験を始めたところでした。これが成功すれば、拡大培養は培養日数の短縮と、米ぬか・米粉の使用量の節約という一石二鳥の秘法であるということになります。

〔2011年7月9日 追記〕 昨日の午前11時30分に仕込んだ2倍拡大培養液。種菌液1リットル+水1リットルに米ぬか大さじ1杯とあら塩小さじ1杯強、黒糖大さじ1杯強を加えたもの。米粉を入れずに、米ぬか・あら塩・黒糖を全て半分の量にしてたものですが、今日の午後味をたしかめたところ甘みと辛みが消えて酸味だけになっていました。ただし酸っぱさはまだ熟成時のものには至っていません。2倍に薄めたものでは pH はさほど変化しないので pH試験紙は役に立ちません。飯山さんのおっしゃるように2日でできるかどうか、明日には分かります。ただし、飯山さんは栄養液の濃度は黒糖3%、あら塩1%にするようにおっしゃっているので半量で熟成するかどうかがちょっと楽しみです。

〔2011年7月13日 追記〕 飯山さんのおっしゃる通り7月10日には甘みや塩辛さがなくなって酸っぱい乳酸菌液になりました。しかしやはり黒糖とあら塩が少なかったためかなんとなく薄いような気がします。そこで、あらためて黒糖大さじ1杯とあら塩小さじ1杯とを追加投入したところ、翌日にはいつもの乳酸菌液と同等のものになりました。熟成させるには飯山さんのご指示にしたがってあら塩・黒糖をそれぞれ1%・3%にするのがよいようです。

〔注記〕 米のとぎ汁や米ぬか水等を利用した米乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は <乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕> に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお勧めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや新しい知見、あるいは誤っていた記述など、<乳酸菌を培養する(1)>の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使った米ぬか培養液
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルトと内生菌 ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹で作る濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)~(30)をまとめて読む。

(関連記事)

科学 | Trackback (0) | Comment (10) | URL | 携帯 | スマフォ |  | 記事番号:272
コメント
 
[492] 拡大培養法
2011/12/18(日)12:00:45 | URL | jkoko[編集
こんにちは。

いつもありがとうございます。
拡大培養法に関して質問があります。

黒砂糖5片です。(修正)>電柱でござるさん

8ℓ(果実酒ボトル)の場合
黒砂糖1200g粗塩は?何gが適量でしょうか?

よろしくお願いします。


PS:仏花に乳酸菌を入れるのを継続しております。


 
[493] 5片とありますね。
2011/12/18(日)20:17:53 | URL | シカゴ[編集
jkokoさん、こんばんは。

飯山さんの掲示板にあった電柱でござる氏の投稿文の内容に関するご質問ですね。

10リットルの水と10リットルの乳酸菌液とを混ぜて2倍拡大培養をするというお話。加える黒糖とあら塩の量については私はちょっと確信が持てません。

>砂糖5斤は1斤=600gで=3000gでいいのでしょうか?

引用文では水10リットル・乳酸菌液10リットルに対して「黒砂糖5片と粗塩小さじ1杯」を加えるとあります。「5斤」ではなくて「5片」とあります。

黒砂糖5片というのがどの程度なのか、ちょっと曖昧ですね。それに水10リットルに対して「粗塩小さじ1杯」というのもちょっと少なすぎるかなと思います。

そんなわけで、引用文の直後の追記でも書きましたが…。
やはり水1リットルに対して黒糖大さじ1杯強(約15グラム)・あら塩小さじ1杯強は少なかったと思います。翌日の追記にもあるように私は黒糖とあら塩を追加して、飯山さんのおっしゃる通り、水の量(1リットル=1000g)の3%の黒糖(30g)と1%のあら塩(10g)を加えるのがよいという結論に至りました。

というわけで、8ℓ(果実酒ボトル)の場合、2倍拡大培養では水4リットル+乳酸菌液4リットルという割合になりますから、加える黒糖・あら塩は水(4リットル=4000g)のそれぞれ3%・1%です。つまり、黒糖は120g、あら塩は40gでよいということになります。

拡大培養の場合、半分はすでにできている乳酸菌液を使いますので実際に必要な黒糖やあら塩の量は残り半分の水に対するものになるわけです。そんなわけで黒糖やあら塩の量は通常培養に比べれば半分で足ります。といっても量的には得をしているわけではないことはお分かりになると思います。

つまり、通常培養で4リットルの乳酸菌液を作るのと同じだけの黒糖とあら塩を使って2倍拡大培養によって8リットルの乳酸菌液を得るということ。黒糖やあら塩を節約することはできないけれども、通常は一週間程度かかるところを2、3日で済ますことができるというのが拡大培養の長所であるということです。短所は元になる乳酸菌液が必要であるということですね。

また、飯山さんもご指摘のように拡大培養の際には水だけでなく新しいとぎ汁を少し加える必要があります。私はとぎ汁を入れる代わりに現在は米ぬかと米粉を少々加えています。

このところ寒くなって気温が低いので拡大培養に限らず、培養液は暖かい場所に置くようにすることも必要です。
 
[494] お礼とお詫び
2011/12/19(月)00:10:14 | URL | jkoko[編集
シカゴさま。こんばんは。

丁寧なお返事ありがとうございます。

そして、すみません!読み間違いをしておりました。
そそっかしくて・・・。

感謝です。

今年はお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
 
[495] 仏花のことをお尋ねし忘れました
2011/12/19(月)12:21:03 | URL | シカゴ[編集
jkokoさん、こんにちは。

せっかく仏花のことをお書き下さっていたのにお尋ねするのを忘れてしまいました。

今も続けていらっしゃるということは乳酸菌液を仏花の水に入れると通常よりも花が長持ちするということですよね。私のところには仏壇がなく、それに花瓶に花を生けるというような習慣もない無粋な人間なので生花の水に乳酸菌液を入れてみるということをしたことがありませんでした。

後学のために、お教え下さい。

水に入れる乳酸菌液の量はどのくらいになさっているのでしょうか、そして以前に比べて仏花がどのくらい長持ちするようになったのでしょうか。二つの件、お教え戴けるとありがたく思います。
 
[497] 水に入れる乳酸菌液の量と持ち日数
2011/12/20(火)11:47:36 | URL | jkoko[編集
シカゴさま。おはようございます。

水に入れる乳酸菌液の量>>1:1
仏花がどのくらい長持ちするようになったのでしょうか>>約20日間ぐらい。
但し、夏場は例外。約5~7日間ぐらいです。置き場所によります。

乳酸菌入りの水は入れたままにしない。
最初は2日目で水量が半分以下に減ります。その後だんだん濁りますので交換を繰り返す。(枯れる花は取り除く)
この頻度は状態を見て。

以前よりも5~6日間ぐらい長持ちして、花が綺麗です。


 5月30日の記事よりシカゴさまのお返事>>
●とりあえず六十分の一の5mlくらいで試してみてはどうでしょう。

この日からスタートして、今でも試行錯誤しながらしております。


お役に立てれば幸いでございます。

PS:2倍拡大培養乳酸菌は昨日してみました。また、ご報告いたします。
ありがとうございます。

 
[523] 水に入れる乳酸菌液の量と持ち日数その後
2012/03/25(日)10:36:17 | URL | jkoko[編集
おはようございます。

乳酸菌で仏花が日持ちをするように、試行錯誤をしておりましたが
たぶん、これが一番良い方法だと思いましたので
ご報告いたします。

1)容器に乳酸菌を10回ぐらいスプレーする。
2)水は花瓶の容量。

これで今の季節だと約20日ぐらい持つようになりました。
その間、水が少なくなると1)を繰り返しております。


今の所、この方法ですが
夏場になる頃は色々試してみて、またご報告いたします。

以上です。

PS:ホエイを化粧水に導入して手作り化粧水を楽しんでおります。
 
[524] 仏花の水の情報ありがとうございます
2012/03/26(月)22:59:13 | URL | シカゴ[編集
jkokoさん、こんばんは。

実践の情報ありがとうございます。
私は無粋なもので一人暮らす私の家には仏壇も神棚もなく、また部屋に花を飾る習慣もないので生花の水についてはほとんど知識がありません。

母が生きていた頃は水盤に花を生けたり、花瓶に投げ込みの生花を飾ったりするのをそばで見ておりましたが、その経験から水盤の花はかなり長持ちするけれど花瓶の生花は数日で駄目になるということは知っておりました。

このたびjkokoさんの実践の結果、水に乳酸菌液を少々加えることによって生花が長持ちするということと、どの程度の乳酸菌液を加えればよいかということがある程度分かったので、この記事の「乳酸菌液の活用」のところに書き加えようと思います。

普通の大きさの花瓶で10~20回程度スプレーすればよいのでしょうね。花瓶が大きければ多少増やせばよい、と。

大まかな目安が分かればあとは各人が何回か試すことで最適な量がわかるでしょうから、jkokoさんの例が大いに参考になると思います。
 
[732] 
2013/09/15(日)06:51:37 | URL | イミフ[編集
水盤の花は長持ち、ここにどんな秘密があるのかな?
 
[733] Re: タイトルなし
2013/09/16(月)10:30:34 | URL | シカゴ・ブルース[編集
イミフさん、こんにちは。

> 水盤の花は長持ち、ここにどんな秘密があるのかな?

花瓶に比べると水の量が多い、水面が広いので空気中の酸素が溶け込みやすい。つまり腐敗しにくいということではないかと思います。花瓶よりは相対的に雑菌が繁殖しにくいのでしょうね。
 
[997] 承認待ちコメント
2022/10/07(金)00:15:16 | | [編集
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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

75歳♂。国語と理科が好き。ことばの持つ意味と自然界で起きるできごとの不思議さについて子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。長い間続けた自営(学習塾)の仕事を辞めた後は興味のあることに関して何でも好き勝手にあれこれ考える日々を過ごしています。千葉県西部在住。

2021年の2月下旬から海外通販(日系法人)を通じてイベルメクチンのジェネリック(イベルメクトール他)を購入し、定期的に服用しています。コロナワクチンは接種していません。

ツイッターは okrchicagob(メインアカウント)、または Chicagob Okr(サブアカウント)。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 第一部』 1章(1) 認識論と言語学との関係

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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