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2013年10月08日(火)| 科学・教育>発酵 |  
乳酸菌を培養する(21)――〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養

最終更新日 2014年9月29日〕

今年は蓬(よもぎ)乳酸菌液(蓬発酵液)に挑戦しようと思って、そのことを公言もしました。そして実際に春先に蓬の新芽を摘んできて試しに作ってみたのでした。ところがこの初挑戦はちょっとしくじりました。といっても結果的には問題なく使える蓬乳酸菌の元菌液1.6リットル蓬乳酸菌液4リットルとが得られたのでかならずしも失敗というわけではなく大筋では成功したと私自身は思っています。その後、9月の始めに自己流のいい加減なやり方で再挑戦を行ない、ふつうの元菌液と乳酸菌液をなんとか作りました。その上さらに 300gの蓬から得られた漬物葉を使って20リットルの乳酸菌液を作るという無謀な実験まで行なったのでした。結果は読んでのお楽しみです。

〔2014年9月29日 注記〕摘んできた蓬をそのままペットボトルに入れ、水とあら塩とデンプンでまず乳酸菌を増やし、2日後に糖を入れることによって手軽に蓬乳酸菌液を作ることができます。蓬乳酸菌液を大量に作りたいときは以下の方法で蓬漬物と元菌液を作り、蓬漬物から得られる乳酸菌液を種菌液として拡大培養を行なうのが一番ですが、必要な分だけを手っ取り早く作るには蓬をペットボトルに入れる方法が適しています。また、蓬漬物と元菌液とを作る方法では大量の黒糖と塩が必要ですがペットボトルを使う方法ではとぎ汁培養などと同じ量(1%の塩と3%の糖)で済むという意味でも手軽な培養法だと思います。

〔2014年10月2日 追記〕ペットボトルを使う蓬乳酸菌の培養について「〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養」という記事を書きましたので興味のある方は是非ご覧下さい。

 この記事の目次

初めての蓬乳酸菌液作り
  蓬培養液に挑戦 塩が多いなあ
  漬物葉を使って蓬乳酸菌培養液を作る
やはり塩は過剰
  黒糖(糖蜜)は蓬葉の 40%、あら塩は 2%? 天恵緑汁
2回目の蓬乳酸菌液
  かなりいい加減な培養 大雑把な蓬乳酸菌培養
  乳酸菌風呂用に20リットルを培養
3回目の大雑把な実践
蓬乳酸菌液の拡大培養について
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

 
初めての蓬乳酸菌液作り

2013年3月23日 午後〕蓬培養液に挑戦私が住んでいる団地の敷地内には毎年蓬が育ちます。その蓬が新芽を出してある程度の大きさになったのでこれを摘んできて蓬乳酸菌の培養に初挑戦することにしました。先端の柔らかい部分10センチ余りを手で摘んで袋に入れます。どのくらいで何グラムになるのか見当もつきませんでしたが適当に切り上げて部屋に戻り測ってみると約750gでした。1kgならキリがいいのにと思いましたがまあいいやとそのうちの 700gを使って培養することにしました。

蓬乳酸菌液「蓬龍宝」を市販している『乳酸菌普及協会』のブログに作り方が載っていたのでこれを参考にします(このページに載っている「2012.03.08 蓬(ヨモギ)乳酸菌の作り方」と「2012.03.09 蓬(ヨモギ)乳酸菌の作り方 その2」です)。それにしてもレシピでは蓬の葉を10kgも使うんですね。「10キロの葉に、5キロの糖蜜と1キロの塩を振りかけ、ビニール袋の口を閉じ密封したら、その上に重石を乗せます」とあります。50%の糖蜜と10%の塩を使って蓬葉の漬物を作るわけです。

塩が多いなあずいぶんたくさんの糖蜜と塩を使うんだなと思いましたが文面通りにします。きれいに洗ったポリバケツの中に蓬700gを少しずつ入れながら 700gの50%(350g)の黒糖700gの10%(70g)のあら塩とをふりかけて最後に軽く混ぜます。ポリバケツの中には 蓬葉+黒糖+あら塩で計1120gが入ったことになります。その上に重しを載せました(漬物用の5キロの重し+5リットル果実酒の瓶に水を入れたもの+袋入りの玄米5kgで合計約15kg)。

2013年3月25日〕漬物汁が上がって来たので重しを取って蓋をし、しばらく放置します。

2013年4月2日〕ポリバケツの漬物(漬物と漬物汁)に同重量(1120g=1120ml)の水を加えます。別の容器の上にザルを載せておきます。ポリバケツの中ですすぎ洗いした蓬の漬物を取り出してザルの上で軽く押して含んでいる液を取り出します。蓬の漬物はポリ袋に入れて保管。ポリバケツに残った液もザルで濾して加えます。これが蓬乳酸菌の元菌液です。約1.6リットルの元菌液が得られました。加えた水1120ml と合わせて元菌液が 1.6リットル得られたわけですから、そのうち漬物汁は大雑把に計算して 1600gー1120g=480g だったということになります(黒糖とあら塩が含まれているので実際は1600gよりも重いはずですから漬物汁はほぼ500gと考えてもよいでしょう)。

2013年4月4日漬物葉を使って蓬乳酸菌培養液を作るポリ袋に保管しておいた漬物葉を種にして最終的に2リットルの蓬乳酸菌液を作ります。容積2リットルの広口の蓋付き容器に漬物葉水1リットルあら塩20gを入れ、2日後に水1リットル黒糖60gを加えてしばらく様子を見ます。5日後に pH が 3.5強になったのでザルを使って濾し取り培養液を2リットルのペットボトルに移します。

取り除いた漬物葉を種にしてもう1回2リットルの蓬培養液を作ります。最初の時よりも乳酸菌密度が低いだろうと考えて最初に加える水は500mlにします。あら塩は20g。少し余裕を持って4日後に水1.5リットル黒糖60gを加えました。こちらは7日後に pH3.5強になったので培養液を濾し取って2リットルのペットボトルに入れました。これで都合4リットルの蓬培養液ができました。漬物葉はまだ使えるのではないかと思いましたが蓬乳酸菌液は4リットルもあれば当分間に合うので初回の蓬乳酸菌培養はここまでとし、漬物葉は乳酸菌風呂に入れました(漬物葉を三角コーナー用の不織布製の袋に入れさらに網袋に入れたものを風呂水に浸しています)。ほんのりと蓬の香りがしていい感じです。

その後2本の蓬培養液は相次いで順当に pH3.5 に到達しました。顕微鏡で見ると十分な乳酸菌とそれなりの酵母が増殖しています。酵母は楕円形と円形が多く、桿形のものも混じっています。匂いはかなり強目です。飲んでみるとちょっと薬のような感じです。蓬乳酸菌液はアトピーに効くらしいのでちょっとアレルギー気味の私は顔と肌に塗るのに使うことにしました。飲用やスプレー用などそのほかの用途にはこれまで通りとぎ汁乳酸菌液を使います。

1.6リットルの元菌液ですが、匂いは相当強くかなりしょっぱいです。甘みもかなり残っているので口に入れたときの感じはシロップの薬みたいです。かなり長期間発泡し続けていました。発泡がおさまったあとも pH は 3.5 に至らず、6か月余り経った現在も 4.0弱~3.5強のままです。しょっぱさはほとんど感じられなくなりましたが甘さはまだ残っています。顕微鏡で見るとかなりたくさんの乳酸菌とそれなりの酵母がいます。漬けた蓬葉からしみ出したデンプンやタンパク質などの栄養分やミネラル類・ビタミン類のほかに各種の酵素も含まれているはずですので拡大培養の種や栄養分・酵素等を補う用途に十分使えると思います。

 
やはり塩は過剰

蓬乳酸菌液は私の肌に合うようです。背中や腕の付け根辺りや腿がときどきかゆくなるのでこれまではとぎ汁乳酸菌液を塗っていました。とぎ汁乳酸菌液でも効き目はしっかりとありますが蓬乳酸菌液の方が速く効きます。

黒糖(糖蜜)は蓬葉の 40%、あら塩は 2%?

加えたあら塩が多すぎたのではないかとその後も気になっていました。そういえばグレープおばさんが蓬乳酸菌液の記事を書いておられたなあ、と思い出して記事を探してみました。ありました。「ヨモギ乳酸菌・・・分量間違えてショック・・・」。読んでみるとグレープおばさんも塩の分量をうっかりミスったようです。「ヨモギ4200グラム」「黒砂糖1400グラム」「塩160グラム」を使ったそうですが、黒砂糖が少ない(本来は2100g)上に塩は40g(ほぼ1%)入れるつもりがうっかり160gも入れてしまったようです。それでも 4%弱ですから 10%も入れてしまった私よりはまだ少ないんですね。電話でのグレープおばさんの問い合わせに対して飯山さんは、塩分多めでも大丈夫とお答えです。グレープおばさんが飯山さんのツイッターをあらためて確かめたところ飯山さんは「ヨモギ葉の重量の50%の黒糖を削った粉と,粗塩1%を振って」とおっしゃっています。黒糖(糖蜜)は蓬葉の 50%あら塩は 1%でいいんですね。私は10倍もの分量のあら塩を入れてしまったということになります。それでも蓬乳酸菌は濃い塩分の中でたくましく増殖したというわけです。考えてみれば白菜の漬け物や糠漬けの塩分濃度も相当なものですから 10%程度では乳酸菌や酵母にはどうということもないのでしょう。

飯山さんの『LittleHP』にも記事がありました(『◆2011/04/11(月)(発酵菌運動)ヨモギ葉を漬けてみよう!』)。そこには「黒糖蜜:40%、粗塩:黒糖蜜の5%」とあります。これだと 黒糖は40%、あら塩は 2% ということです*。うむ、「てげてげ(大概大概)」なんですね。だいたいこれくらいの分量で乳酸菌の培養ができるということ、それくらい蓬葉の乳酸菌は密度が高く、たくましいということでしょう。

* 天恵緑汁(てんけいりょくじゅう)
蓬の漬物汁は「天恵緑汁」と呼ばれているようです。作り方は「天恵緑汁」で検索すれば見つかります。天恵緑汁は韓国起源の農業資材なんですね。原料となる葉っぱは蓬が中心ですがそれ以外にスギナなど発育力の強い野草が使われます。摘んできた葉っぱの重量の3分の1(約33%)の黒糖を混ぜて漬物を作り、5~7日後に浸出してきた発酵液を濾し取ります。あら塩は入れません。これが天恵緑汁。これを100~200倍程度に薄めて作物に散布するようです。残った漬物葉は畑に入れて肥料にするようです。YouTubeにも作り方・使い方の動画が投稿されています。飯山さん方式の蓬乳酸菌液は天恵緑汁の改良版なんですね。

〔注記〕米のとぎ汁に比べて蓬にはデンプンがあまりありません。培養液としては栄養分が足りないということで黒糖をたくさん入れるわけですが黒糖の代わりに白糖を使うと乳酸菌の増殖は黒糖を使うよりもむしろ促進されることが「〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験」の実験等で分かっています。この場合、酵母はあまり増えません。酵母を増やしたい場合は黒糖を使う方がよいということも分かっています。

ということなので、蓬乳酸菌の培養において黒糖の代わりに白糖を使うのもよいと私は思います。酵母がさほど増殖しないため栄養分も少なくて済むので使用する白糖は黒糖の場合よりも少なめでよいでしょう。半分程度で十分だと思います。つまり白糖は蓬の重量の 25~20% くらいを目安にすればよいでしょう。あら塩は 2% で十分だと思います。

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2回目の蓬乳酸菌液

2013年9月3日〕蓬乳酸菌液の残りが少なくなってきたので新しく蓬乳酸菌を培養することにしました。まだ1.5リットルほど残っている前回の元菌液を使って拡大培養するという方法もありますが前回の失敗を生かし、さらにもっと大胆な実験をしてみようと思い立ったのでした。前回は700gの蓬葉を使いましたが今回はもっと少ない分量で試してみることにしました。ただし少ないなりの工夫は必要です。

団地の敷地からかなり伸びた蓬を採ってきました。茎が固くなっているため前回のように手で摘み取るというわけにはいきませんからちゃんとハサミを用意しました。茎の下の方は乳酸菌風呂に入れるつもりで前回と同じくらいの袋を用意してそこに先端から30センチほど切り取った蓬をどんどん入れます。ものの10分くらいで袋がいっぱいになったので部屋に戻って重さを量ると750gちょっとあります。下の方の固い部分を切り取って先端の15センチくらいを培養に使います。300gちょっとになりました。そのうち300gを使うことにします。

かなりいい加減な培養黒糖150g(50%)・あら塩3g(1%)をあらかじめ計り取っておき、ポリバケツに蓬(300g)を入れながら黒糖とあら塩を振っていきます。最後に軽く混ぜて重しを載せました(全体の重量は 300+150+3=453g)。今回は漬物用の重し5kgと玄米5kgとを重ねて合計10kgです。蓬の量が多ければ2~3日で水が上がってきますが、蓬の量が少ないことと蓬自体がずいぶん成長して茎が固くなっているためとであまり水が上がりません。そのままでは乳酸菌が増殖できる環境にならないので、本来ならあとで洗い出しに使う水 450mlのうち 120mlを1日後に加えてもう一度重しを載せて2日ほど置きます。3日後に重しをとり去ってそれからしばらく蓋をして放置します。今回は気温が高いため数日で産膜酵母が発生してシンナー臭を発しています。かき混ぜた後蓋を閉めずに新聞紙を上に載せて通気をよくします。1日に1回程度かき混ぜているうちに産膜酵母の匂いも薄れてきました。

2013年9月10日元菌液ポリバケツに残りの水330mlを加えて蓬漬物を洗います。別の容器にザルを載せて漬物葉を取り除き、残った漬物汁を濾し取りました。500ml弱の液が得られたのでこれをペットボトルに入れます。300gの蓬からほぼ500mlの元菌液が得られました。この元菌液はしばらく発泡し続け、9月13日に pH3.5 になりました。中には非常にたくさんの乳酸菌とたくさんの酵母(多種・大きさもさまざま)が見られました。

大雑把な蓬乳酸菌培養1本目:蓬葉の漬物を種にする場合はかなりいい加減にしても蓬乳酸菌液がちゃんとできそうなので今回は大胆にいきます。蓬漬物を広口容器に入れ、水500ml黒糖15gあら塩5gを加えてよくかき混ぜてから蓋をします。翌日水1.5リットル黒糖45gあら塩15gを追加してもう1日置きました。2日後の9月12日にザルにキッチンペーパーを敷いて培養液を濾し取り2リットルのペットボトルに移しました。この時点で pH は3.5強、かなりの数の乳酸菌と大増殖した酵母がいました。この培養液は3日後に pH3.5になりました。

2013年9月12日2本目:今度は初日から大胆にいきます。蓬葉の漬物を広口容器に入れ、水2リットル黒糖60gあら塩20gを加えた後、よくかき混ぜてから蓋をして放置します。2日後に培養液を濾過して2リットルのペットボトルに移します。pH は3.5強でした。やはり乳酸菌がたくさんいます。酵母も大増殖しています。この培養液も3日後に pH3.5に到達しました。1本目・2本目はその後別々に培養を続けましたが 9月25日に2本をまとめて4リットルのボトルに移しました。

乳酸菌風呂用に20リットルを培養残った蓬漬物を使ってさらに大胆な実験です。もらったまま使わずにしまってあった20リットルの漬物樽があることを思い出して、乳酸菌風呂用に20リットルの乳酸菌液を作ることにしました。300gの蓬から20リットルの乳酸菌液というのはちょっと無謀な気がしましたが漬物葉にはまだたくさんの乳酸菌や酵母がいるでしょうし、一気に20リットルではなく2回くらいに分けて増やしていけば、そして3月末に作った元菌液のうちの500mlを栄養液に補ってやれば十分可能だろうと思いました。

2013年9月14日〕20リットルの漬物樽に漬物葉と水5リットルあら塩100gを入れてよくかき混ぜたあと蓋をして放置します。2日後の16日の pH は4.0弱になっていました。ここでさらに水12リットル黒糖150gあら塩100gを加えます。2日経って18日には pH3.5強に達したので漬物葉を取り出して残った培養液を20リットルのポリ缶に移しました。ここまででほぼ17リットルになっています。加えたあら塩は計200g・黒糖は150gです。ここで3月に作った元菌液500ml(pH3.5強)を入れ、さらに水2.5リットル黒糖450gを加えて陽当たりのよい寝室の窓際に置きました。9月21日に pH3.5 に到達しましたが。酵母はかなり増えているものの乳酸菌がまだ十分に増殖していないため、もうしばらく置くことにします。9月24日になって顕微鏡であらためて観察すると乳酸菌が十分に増殖していることが分かったため、それまでの乳酸菌風呂Lを廃棄し、できたばかりの蓬乳酸菌液20リットルを使った新しい乳酸菌風呂Mを開始しました(「〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3」)。初めての蓬乳酸菌風呂、とてもいい感じです。とぎ汁乳酸菌液を使った乳酸菌風呂に比べて液中に浮遊物があまりないのが特徴です。蓬の葉から出た黒い成分も加わって乳酸菌風呂の色もかなり黒っぽくなっています。漬物葉と最初に取っておいた茎の下の固い部分はこの乳酸菌風呂に入れました。そこから蓬の香りがしています。風呂水の乳酸菌たちにとっても蓬葉という「依り代」ができていい環境になっていると思います。

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3回目の大雑把な実践

2013年9月19日〕散歩の途中、中学生たちが通学の際に近道として使っている脇道に久しぶりに入ってみました。道ばたにまだ先端が柔らかそうな蓬が生えています。前回団地の敷地で採ったものはつぼみがすでにつき始めたものがかなり混じっていますが、このあたりは陽当たりがよくないためかまだつぼみの出ていないものがかなりあります。部屋に戻ってハサミと小さめの袋を採ってきてさっそく柔らか目のものを採取しました。ちょっと時間がかかりましたが袋がいっぱいになったので部屋に戻って重さを計ったところ、残念ながら 270gとちょっと少なめでした。

まあ、これでも前回の 300gには及ばないものの 400ml強の元菌液と5リットルくらいの乳酸菌液は得られるでしょう。蓬の50%・約2%の黒糖・あら塩をそれぞれ 135g・6g 用意してポリバケツに入れて重しを載せます(合計重量 441g)。今回も約10kgにします。今回は重しをしばらく載せたままにしてみましたがやはり水がほとんど上がってこないので3日後の 22日に水400mlを加えて1日だけ重しを載せておきました。翌日重しを取り蓋をしてしばらく放置します。今回も産膜酵母が出たので蓋を新聞紙に替え毎日かるくかき混ぜました。8日後の 27日に培養液を濾し取って約450mlの元菌液を得ました。この元菌液もしばらく発泡を続けた後、9月25日に pH3.5 に到達しました。2回目の元菌液と同じように非常にたくさんの乳酸菌とたくさんの酵母が増殖しています。こちらは円形・楕円形の酵母が多いようです。

2013年9月27日5リットルの蓬乳酸菌液を作る今回は一気にいきます。取り出した蓬漬物と一緒に水5リットルあら塩50g(1%)を入れます(5リットル用の果実酒容器を利用)。当初の pH は 5.0弱です。翌日(2日後)には pH3.5強になりました。乳酸菌も酵母もかなりたくさんいます。暖かい窓際に置いたガラス瓶の中は手を入れてかき混ぜるとかなり高温になっています。液の上の方は40℃近くなっていて泡がたくさん発生しており、液面には蓬の葉から出た成分が浮遊しています。ここで黒糖150g(3%)を加えました。3日後の30日に pH3.5 になりました。翌10月1日に顕微鏡で見ると酵母が大増殖しています。暖かい環境だったせいでしょう。乳酸菌も十分に増えています。泡の発生がおさまれば完成でしょう。10月5日にはおとなしくなって浮遊物も沈殿したので、濾過したものを 2.5リットルのボトル2本に分けて入れました。この乳酸菌液は漬物葉をずっと入れておいたので栄養分がかなり豊富に含まれていると思われます。残った漬物葉は蓬乳酸菌風呂に入れました。

9月始めの団地の清掃で刈り取られた蓬が脇芽を出して伸びてきました。今年はあと一回くらい採取できそうです。乳酸菌液は十分ありますから次は元菌液を採取せずにそのまま乳酸菌風呂用の乳酸菌液20リットルを作ってしまおうかと考えています。

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蓬乳酸菌液の拡大培養について
拡大培養の基本

蓬乳酸菌液の拡大培養は2倍拡大培養が基本です。乳酸菌液を種菌液としてそれに水と黒糖・あら塩等で作った栄養液を加えて2倍量の培養液を作ります。2回目の拡大培養では1回目の拡大培養で得た乳酸菌液を種菌液としてさらに2倍量の乳酸菌液を得ることができます。2回目・3回目・4回目…という風にして拡大培養を続けることによって得られる乳酸菌液は倍々で増えていきますから4回目の拡大培養では 2×2×2×2=16倍の乳酸菌液が得られます。飯山さんによれば最大限8回目まで拡大培養を繰り返すことができるそうなので理論的には 2の8乗倍つまり256倍まで増やすことが可能です。ただし、3回目以降の拡大培養では種菌液の力が衰えるため水・黒糖・あら塩だけでなく少量の元菌液が必要です。

拡大培養に必要な材料
 種菌液:蓬乳酸菌液
 栄養液:種菌液と同量の水 黒糖(水の重さの2~3%) あら塩(水の重さの0.5~1%)
 元菌液:3回目以降の拡大培養時(水の体積の0.3~0.4%)

上記の材料を全部一緒に蓋のできる容器に入れてできるだけ暖かい場所に置きます。3~5日で pH3.5 に到達します。これで完成です。あとはそのまま使うなりつぎの拡大培養の種菌液にするなりして下さい。

種菌液として1リットルの蓬乳酸菌液を使う場合の培養液の内訳
 〔種菌液〕蓬乳酸菌液:1リットル
 〔栄養液〕:1リットル 黒糖:20~30g あら塩:5~10g
 ※3回目以降は水1リットルに対して元菌液を3~4ml入れます。

〔注記〕1回目の拡大培養では3倍拡大培養も可能だそうです。2回目以降は2倍拡大培養が基本になります。もしにがりがあれば水の量の 0.2%程度を入れるとミネラル類の補給になります。また蓬が手に入るなら水1リットルあたり 5~10g の蓬葉を入れると蓬の香りや薬効成分が含まれる乳酸菌液ができます。

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pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

〔注記〕pH試験紙については「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「pH試験紙・培養液の色(10円硬貨の利用)」をご覧下さい。pH試験紙が手元にない場合の簡易判定に10円硬貨を利用する方法についても記してあります。

〔注記〕乳酸菌の培養に用いて使い終わった使ったペットボトルの汚れは水で洗うだけで十分ですがボトル内部の肩口の辺りに付着している浮遊物や産膜などはブラシで落とせます。なお、「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「培養液の濾過・沈殿培養液・ボトル等の洗浄」でご紹介している「フルフルボトル洗い」を使うと手間がかからず簡単にペットボトルの洗浄ができます。

〔注記〕 乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は <乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕> に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお勧めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや新しい知見、あるいは誤っていた記述など、<乳酸菌を培養する(1)>の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使った米ぬか培養液
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルト ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)~(30)をまとめて読む。

(関連記事)

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コメント
 
[870] 蓬乳酸菌の事でお聞きしたいのですが
2014/05/14(水)16:15:42 | URL | 山中睦美編集
拝読させて頂いております。蓬乳酸菌にゼリー状の物が浮いており大きくなつています。飲んでも大丈夫でしょうか
 
[871] Re: 蓬乳酸菌の事でお聞きしたいのですが
2014/05/14(水)17:57:43 | URL | シカゴ・ブルース[編集
山中睦美さん、こんにちは。

> 拝読させて頂いております。蓬乳酸菌にゼリー状の物が浮いており大きくなつています。飲んでも大丈夫でしょうか

私は蓬乳酸菌液の実践はあまり多くないので適切なご助言は差し上げられませんが、とぎ汁培養や玄米浸漬培養で作った乳酸菌液でも浮遊物が出ることがあります。その多くは産膜酵母が作り出す小さな白いもので放っておくと膜状になることもあります。これはボトルをよく振ってできるだけ空気に触れさせないようにすることで大量の浮遊物が発生するのを防ぐことができます。しかし、この産膜酵母が作り出す白い浮遊物は口に入れても無害ですので最近はあまり気にせず、飲用にするものだけは上澄みをこし取って小さなボトルに入れて冷蔵庫に保管します。産膜は低い温度ではほとんど発生することがないためです。こうすることによって飲んだときの苦みやシンナー臭を抑えることができます。

私の場合、完成した乳酸菌液に産膜以外の浮遊物が発生するのをほとんど目にしたことがありませんが、ゼリー状のものが出たというお話は聞いたことがあります。

蓬乳酸菌液でも産膜は出ます。ただ私の作った蓬乳酸菌液でゼリー状のものが浮いたのは見たことがありません。

とりあえずその浮遊物を取り除いた上で上澄み部分を少し取り分けて冷蔵庫に保管してみて下さい。できれば pH がどれくらいなのかを測れるとよいのですが、pH 4.5以下ならまず雑菌は発生しませんので浮遊物以外の液体部分は飲用しても大丈夫と思います。あとは匂いについても確認しておくのが無難だと思います。蓬の匂い以外に嫌な匂いや変な匂いがなければまず心配はありません。

浮遊物を取り除いた後に残った乳酸菌液はペーパータオルか木綿の布を使って軽く濾過してからきれいに洗ったボトルにあらためて入れ直すとよいでしょう。
 
[872] 安心しました。
2014/05/15(木)10:58:01 | URL | 山中睦美編集
ありがとうございます。
十円玉ぴかぴかです。濾して愛情こめてそだてます。
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 長谷川宏訳『経済学・哲学草稿』――「解説」〈疎外・外化・弁証法〉
 城塚登・田中吉六訳『経済学・哲学草稿』――「訳者解説」ほか
弁証法
 存在と対象(1)~(3)
 三浦つとむ「横目で見る立場から」(1)~(4)
 物自体(1)~(4)
 科学とは何か
 0の概念・マイナスの概念(1)(2)
 マイナス×マイナスはなぜプラスになるのか(1)~(3)
 割り算から見た量(1)(2)
 温度はたし算・引き算できないか(1)(2)
 鏡像における左右反転という現象について
 南半球における月の満ち欠け
 乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
 乳酸菌を培養する(2)――〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
 乳酸菌を培養する(13)――〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト(TGGヨーグルト)
 乳酸菌を培養する(18)――〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 乳酸菌を培養する(19)――〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 乳酸菌風呂に対するネガキャン――ニセ科学批判とエア御用
 板倉聖宣『摸倣の時代』――西洋医学と脚気、御用医学と玄米食
 【再掲】ペットボトルを利用した自作じょうご
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社会
 ~官房機密費の実態~〔TBSニュースバード〕
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 『週刊ポスト』大新聞は国民の敵だ 1~2
 川端幹人さんのツイート――原発報道のタブー
言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年生れ(68歳♂)。国語と理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。現在は39年間続けた自営(学習塾)の仕事を辞め個人的に依頼されたことだけをこなす日々です。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 I』を読む 1(1)――認識論と言語学三浦つとむ『認識と言語の理論 I』

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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