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2013年12月22日(日)| 科学・教育>発酵 |  
乳酸菌を培養する(22)――〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト

――乳酸菌を培養する――

 〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 〔応用編6〕乳清(ホエー)で作る豆乳ヨーグルト
 〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト(TGGヨーグルト) ―― 玄米・白米・米ぬか・米粉…で作るヨーグルト
 〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルトと内生菌 ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト

 豆乳ヨーグルト作りの記事をまとめて読む。

 関連:〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液

 浸漬培養に関する記事をまとめて読む。

 植物性乳酸菌(自家製乳酸菌)の培養に関する記事をまとめて読む。

 乳酸菌を培養する(1)~(30)をまとめて読む。

とぎ汁乳酸菌液を種にした豆乳ヨーグルトを初めて作ったのは2011年の6月の初めでした。以来ほぼ2日に1回の割合で 250mlの豆乳ヨーグルトを作って毎日食べています。種は乳酸菌液のほか、豆乳ヨーグルトの乳清や豆乳ヨーグルトそのものを使ったりもしました。

昨2012年の12月には玄米や白米そのものを種にしても豆乳ヨーグルトができることが分かり、さらに日本茶やコーヒー粉だけでなく生の果物や野菜、あるいは熱を通した植物性食品などを種にしても豆乳ヨーグルトができることが分かりました。いろいろな人たちの実践の結果、私たちが日常食べているほとんどの植物性食品の中には生きた乳酸菌がいるということが分かったわけです。

さまざまなものを使って豆乳ヨーグルトができるということはとても興味深いことですが、日常的に作るとなると手近にある乳酸菌液や乳清がやはり一番簡単です。玄米その他の植物性食品で作った豆乳ヨーグルトは味もさまざまで中にはおいしいものもあります。玄米を種にしたものは味もそれなりですし、中に含まれる乳酸菌の数も多いという長所があります。何より乳酸菌液を作る必要がないということは多くの人たちにとっては手軽に豆乳ヨーグルトが手に入るということでもあります。

ただ、種として使った玄米の処置がやはり面倒です。お茶パックに入れて何回かは使い回せますがいずれは何らかの形で処分しなければなりません。というわけで玄米の良さと乳酸菌液の良さとを両方兼ね備えた種はないだろうかと考えた結果、玄米培養において水の代わりに水と豆乳との混合液を使うという方法を考えました。この培養法で作った乳酸菌液には豆乳ヨーグルトそのものが含まれています。上澄みは玄米乳酸菌液といってもいいでしょう。こうしてできた玄米豆乳乳酸菌液を種に使った豆乳ヨーグルトは味も悪くありませんし酸味もあります。なによりもよいのは安定してヨーグルトができることです。

 
玄米豆乳乳酸菌液を作る

あら塩と白糖は通常より少なめ、水と豆乳との比率は約 4:1
培養液2リットルを作るのに必要な材料は以下の通りです。豆乳にはミネラルや栄養分が豊富に含まれているのであら塩と白糖は少なめにします(あら塩は半分、白糖は4分の1)。

 ●玄米1合(180ml) ●あら塩10g(約0.5%) ●白糖15g(約0.75%)
 ●水1600ml ●豆乳400ml

上記のものをすべて一緒に2リットルのペットボトルに入れますが、2~3日後に大量の泡が発生することがあるので最初は水の量を1500mlにして、発泡が落ち着いてから残りの水100mlを入れるようにするのがよいかもしれません。なお、豆乳は水よりも比重が大きいため、培養液では玄米が一番下に沈み、その上に豆乳とヨーグルトの混じった層が沈んでいます。一番上には白濁した半透明の水の層ができています。豆乳・ヨーグルトの層は水の層の3分の1弱くらいになります。

pH はゆっくりと低下
増殖した乳酸菌が作る乳酸がヨーグルトを作る(タンパク質を固まらせる)ために使われるので pHの低下は通常の培養液よりもゆっくりと進みますが、4日後くらいには pH4.5~4.0程度に落ちますので雑菌等の繁殖は心配ありません。その後はゆっくりと pHが下がっていき、2週後あたりには 3.5~3.0強に達します。この玄米豆乳乳酸菌液は栄養分が豊富なのでかなり長い間栄養補給しなくてもずっと保存できます。

〔注記〕「〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い」の実験によって白米を浸漬した培養液でも乳酸菌密度の高い乳酸菌液が得られることが分かりました。玄米が手元にない方は玄米の代わりに白米を使って白米豆乳乳酸菌液を作ることによって安定した豆乳ヨーグルトの種菌液が手に入るはずです。七分づき米や五分づき米などでももちろん大丈夫です。

 
玄米豆乳乳酸菌液を豆乳ヨーグルトの種に使う

よく混ぜてから使う
培養を始めてから4~5日後には豆乳ヨーグルトの種として使える状態になります。玄米豆乳乳酸菌液を豆乳ヨーグルトの種にするときにはボトルをよく振って豆乳・豆乳ヨーグルト・水の部分がよく混じったものを使います。この混合液の中にはヨーグルトが入っており、乳酸菌の密度も高いため、種として使う分量は通常の乳酸菌液の半分強程度でも大丈夫です。豆乳玄米豆乳乳酸菌液の比率は 181121くらいです。私は豆乳250mlに対して玄米豆乳乳酸菌液を20ml(大さじ1と1/3杯)と少し多めにしています。豆乳1リットルなら玄米豆乳乳酸菌液80mlくらいにします。

ヨーグルティア使用で 36℃・8時間、ホットマット+カバー(32~34℃)なら10~12時間、20℃程度の室温なら1日かからずに固まります。

飲用に使う
玄米豆乳乳酸菌液は乳酸菌の密度が高いので飲用にも適しています。この場合もボトルをよく振ってからコップなどに注ぎます。1か月以上経ったものはかなり酸っぱいので砂糖やハチミツを入れたり、水や豆乳で薄めて飲むのもよいかもしれません。

 
補充液

使用して減ってきたら補充液を入れます。2~3日で使えるようになります。補充液は水+豆乳+あら塩+白糖です。その比率は玄米豆乳乳酸菌液を作ったときと同じにします。補充液1リットルの内容は次の通りです。

 ●あら塩5g ●白糖7.5g ●水800ml ●豆乳200ml

〔2011年7月8日 メモ〕(1)ヨーグルティアについて
ヨーグルティアはいろいろあるヨーグルトメーカーの中でも使い勝手のよいすぐれものだと私は思います。容器の内容積が 1200cc あるので 1000ml の豆乳 1パック分と種菌液とを入れてもまだ余裕があります。電子レンジでの殺菌処理もできますし、内容器が2個付いているのも便利です。25~65℃(1℃きざみ)の範囲で温度が設定できるためヨーグルトだけでなく甘酒作りやその他いろいろな用途に使えます。タイマー設定時間が 1~48時間と広いのも魅力です。大学の研究室で簡易恒温槽として使うところもあるというのも頷ける話です。

9180円(税込み)とちょっと高いのが難点ですが楽天などで探すと税込み・送料別で 5800~6300円くらいで買えます(送料込だと 6400円くらいから)。なおふつうの「ヨーグルティア」と「ヨーグルティア スタートセット」はまったく同じものです。色は白・青・ピンクの三色から選べます。

(2)ふくれん 成分無調整豆乳
私は豆乳ヨーグルト作りに癖のないふくれんの「成分無調整豆乳」を使っています。原料は九州産の「ふくゆたか」という大豆です。通販で購入すると少々高いですが、スーパーなどで購入すればそれほどでもありません。東京・神奈川・埼玉・千葉なら『オーケーストア』がお薦め。1000mlのパック1本が200円以下(税込み)で買えます。とはいえ私が住む近くには『オーケーストア』はありませんので、通販の中では比較的安価な Amazonの『オーナインショップ』で2箱(1リットル×6本×2箱=12本で2,590円)まとめて購入しています。北海道・沖縄・離島以外は送料無料なので1本あたり216円(2015年7月現在)ということになります。

securitytokyoさんの関連ツイート 2012年01月27日(金)  

ふくれん豆乳(福岡甘木工場・九州産大豆原料):放射性セシウム→不検出。都内スーパーで購入。SecurityTokyo Ge半導体検出器による検出限界0.1Bq/kgの精密測定。 http://securitytokyo.com/data/fukuren_tonyu.html

posted at 13:54:28

ふくれん豆乳 RT @yasway5 会社にも問合せ確認、福岡県の市水(=水道水)と井水(=井戸水)を混ぜて、活性炭等で処理をした水、福岡県の市水をイオン交換した水を使用 RT @securitytokyo: ふくれん豆乳(福岡甘木工場・九州産大豆原料):放射性セシウム→不検出。

posted at 14:34:11

〔注記〕pH試験紙については「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「pH試験紙・培養液の色(10円硬貨の利用)」をご覧下さい。pH試験紙が手元にない場合の簡易判定に10円硬貨を利用する方法についても記してあります。

〔注記〕乳酸菌の培養に用いて使い終わった使ったペットボトルの汚れは水で洗うだけで十分ですがボトル内部の肩口の辺りに付着している浮遊物や産膜などはブラシで落とせます。なお、「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「培養液の濾過・沈殿培養液・ボトル等の洗浄」でご紹介している「フルフルボトル洗い」を使うと手間がかからず簡単にペットボトルの洗浄ができます。

〔注記〕 米のとぎ汁や米ぬか水等を利用した米乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は <乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕> に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお勧めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや新しい知見、あるいは誤っていた記述など、<乳酸菌を培養する(1)>の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使ってみる
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト(TGGヨーグルト) ―― 玄米・白米・米ぬか・米粉…で作るヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルトと内生菌 ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)~(30)をまとめて読む。

(関連記事)

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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年生れ(68歳♂)。国語と理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。現在は39年間続けた自営(学習塾)の仕事を辞め個人的に依頼されたことだけをこなす日々です。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 I』を読む 1(1)――認識論と言語学三浦つとむ『認識と言語の理論 I』

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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