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2014年07月13日(日)| 科学・教育>発酵 |  
乳酸菌を培養する(27)――〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌

前記事――〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)――を書いた後、黒糖の代わりに乾燥米麹を使ったとぎ汁培養や浸漬培養の実践をしばらく続けていました。これらの培養液では米麹に含まれるデンプン分解酵素の働きで培養初期にたくさんのブドウ糖が作られます。そして米麹には麹菌(ニホンコウジカビ)の他に乳酸菌や酵母も住み着いています。この二つの相乗効果によって米麹培養液では培養初期に米乳酸菌が通常よりも急速に増えるため乳酸菌液が短期間でできあがります。しかもできあがった乳酸菌液の乳酸菌密度も高くなります。

しかしながらこの米麹乳酸菌液は豆乳ヨーグルトの種に使ったり肌に付けたりあるいはスプレーしたりする分にはなかなかよいのですが飲んだり乳酸菌風呂に入れたりするには少しもの足りません。酵母が少なめであること、口に入れたときの風味が黒糖乳酸菌液に比べて落ちることがその理由です。黒糖にはもともと乳酸菌や酵母が住んでいて黒糖乳酸菌液では黒糖由来と思われる酵母が培養中期に大増殖します。また黒糖の成分である糖蜜にはアミノ酸や酵素なども含まれています。酵母が作り出すさまざまな成分や糖蜜に含まれる成分などが黒糖乳酸菌液の香りや風味をもたらしているのでしょう。

黒糖乳酸菌液と米麹乳酸菌液の両方の長所を兼ね備えたものがあれば一番ですが、さてそれは可能でしょうか。そこでとぎ汁培養において最初に少量の米麹を入れて初期の乳酸菌数を多めにし、2日後に黒糖を加えることによってさらに乳酸菌を増殖させ、黒糖由来の酵母も増やせばよいのではないだろうかと考えて実験してみました。一か月以上にわたって実験を重ねた結果、満足のいく乳酸菌液ができることが分かったのでご報告します。

 この記事の目次

黒糖と米麹を併用した培養液
  とぎ汁培養液
  玄米浸漬培養液の拡大培養
米麹と産膜性酢酸菌
  米麹乳酸菌液の液面にできる白い膜――酢酸菌膜
  酢酸菌と産膜酵母
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

 
黒糖と米麹を併用した培養液
とぎ汁培養液

培養の手順は黒糖を使った通常のとぎ汁培養とほとんど同じですが初日に少量の乾燥米麹を入れることと2日目に入れる黒糖の量を少な目にするところが違っています。日常的に行なっているとぎ汁培養にちょっと手を加えるだけです。また、しばらく前から培養液に入れるあら塩の量を私は半分に減らしています。

初日:白米1合分のとぎ汁約500ml・乾燥米麹小さじ約1/3杯・あら塩小さじ約1/2杯を500mlのペットボトルに入れて攪拌した後、ホットマットの上に寝かせてカバーを掛けます。大体32~33℃に保たれた状態です。

1日後:通常の培養液に比べると発生している小粒の泡は多めです。蓋を開けるとやや大きめの「プシュッ」という音がします。底の方から上がってくる小泡のためにぬか成分や米麹が上部に浮き上がってきています。pH は 4.0弱と低めで、乳酸菌の数も通常よりも多めです(わずかとはいえ米麹が入っているので当然のことですが)

2日後:まだかなりの量の泡が発生しているため蓋をゆるめてガス抜きをし、すぐに蓋を閉めます。この段階の小泡はデンプン粒などを巻き込んで上がって来るため消えにくいのが特徴ですがその量も通常よりは多めです。ガス抜きを繰り返して噴出する恐れがなくなってから pHを測ると 3.5強になっています。ここで大さじすりきり1杯の黒糖を入れてからよく攪拌し再びホットマットの上に寝かせます。

3日後:小泡の発生量が減ってきました。pH が 3.5 になりました。通常よりも1日早い到達、乳酸菌密度の高い培養液になっています。酵母はまださほど増えていません。

4日後:ボトルがパンパンに固くなっています。蓋をゆるめると噴出するほどの勢いなのですぐに閉めて落ち着くのを待ちます。やや大きめの泡と小さめの泡とが混じって上がってきています。1日後、2日後の泡と違ってちょっと振れば消えるような泡です。乳酸菌も増えていますがこの大量の泡は酵母の増殖が始まったことを示しています。通常の黒糖培養液では pH が 3.5 に到達してから酵母の大増殖が始まりますが、米麹を入れた黒糖培養液でも同じような経過をたどっています。

6日後:発泡がややおさまりました。半分程度の米麹はまだ浮いています。

7日後:発泡が落ち着いてきたためボトルをホットマットの上から床の上に移します。

8日後以降:浮遊していた米麹が沈殿すれば乳酸菌液の完成です。乳酸菌密度の高いとぎ汁乳酸菌液のできあがりです。普通のとぎ汁乳酸菌液よりも楕円酵母が多めですがさらに多くの短桿形の酵母がたくさんいます。ややほんわかとした匂いのする酸っぱい乳酸菌液になりました。

玄米浸漬培養液の拡大培養

使い終わった玄米浸漬乳酸菌液のボトルの底に残った玄米を再利用して拡大培養をします。2リットルのボトルに入っているので水約2リットルを入れ、あら塩小さじ2杯と乾燥米麹小さじ1杯と1/3(大体の量です)とをその中に加えます。暖かいところに置いて、2日後に大さじすりきり4杯の黒糖を入れます。5~6日で使える乳酸菌液ができました。これも乳酸菌密度が高く酵母も多い乳酸菌液です。

この拡大培養法で次回の乳酸菌風呂用の乳酸菌液を作っています。2回目、4回目…の拡大培養では米ぬかを小さじ1杯程度入れることによって酵母の多い乳酸菌液ができることも分かりました。

とぎ汁培養やこの浸漬培養の拡大培養に限らず、米ぬか培養や浸漬培養などにおいても黒糖と米麹を併用することによって濃密な乳酸菌液ができます。そしてとぎ汁培養などがうまくできないという方でも米麹を併用することによって確実に米乳酸菌の培養ができるはずです。その際に入れる米麹は培養液1リットルあたり小さじ2/3杯程度で十分です。2日後に入れる黒糖は少なめにします。

 
米麹と産膜性酢酸菌
米麹乳酸菌液の液面にできる白い膜――酢酸菌膜

黒糖や白糖の代わりに乾燥米麹を使って作ったとぎ汁乳酸菌液や玄米浸漬乳酸菌液あるいは白米浸漬乳酸菌液を使い始めてしばらく経った頃のことです。豆乳ヨーグルトの種などに使ったために乳酸菌液が減ってボトルの上の方に空気の入った部分が目立つようになって液面のボトルの内壁に接する部分に白いものが浮いているのに気がつきました。見た目は産膜酵母の作る白い膜とよく似ています。この膜は日が経つにつれてゆっくりと少しずつ広がっていきました。産膜酵母の膜かなと思って嗅いでみましたがシンナー(塗料の薄め液:酢酸エチル)の匂いはしませんし、飲んでみても苦みはありませんのでこの膜は産膜酵母が作ったものとは明らかに違っています。

この膜はこれまでの米乳酸菌液では見られなかったものです。この現象は米麹を使ったために生じたのではないかと思ってネットで調べてみました。すると発酵に伴って現れる白い膜には酵母が作るものと酢酸菌が作るものとの2種類があることが分かりました。酢酸菌*1(アセトバクター)はアルコール(エタノール)を酸化して酢酸を作り出す細菌の総称ですが、酢酸菌の仲間には発酵液の液面に膜を作るもの――産膜性酢酸菌*2――がいるということです。

*1 酢酸菌はアルコール脱水素酵素を使ってエタノールを酸化してアセトアルデヒドを作り、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素を使ってアルデヒドを酸化して酢酸を作り出します。お酒を飲んだ人間の体内でもこれらの二つの酵素によって酒に含まれるエタノールは酢酸になり最終的には水と二酸化炭素にまで分解されます。私のように遺伝的にこれらの酵素を作り出す能力の低い人間はこの酸化過程がうまく働かないために肝臓がいくら頑張っても毒性の強いアセトアルデヒドを酸化させることができずに悪酔いしてしまうわけです。

*2 通常の醸造酢を作る酢酸菌はアセトバクター・アセチという細菌ですが、膜を作る産膜性酢酸菌はアセトバクター・キシリナムという酢酸菌ですWikipedia「酢酸菌」。アセトバクター・キシリナムが作り出す膜は酢酸菌膜と呼ばれ、伝統的な醸造黒酢福山壷酢古式静置発酵や手作りの柿酢を醸造する過程でごく普通に生じるものです。その紋様が縮緬(ちりめん)に似ていることから醸造酢を作る人たちはこの膜をちりめん膜とも呼ぶようです。

さて、米麹乳酸菌液の液面にできた酢酸菌膜ですが上記の Wikipedia によればその正体はアセトバクター・キシリナム(産膜性酢酸菌)がブドウ糖(グルコース)などから作り出したセルロース(多糖類の一種)です。セルロースは植物の細胞壁や道管を構成する固い物質で植物繊維とか食物繊維とも呼ばれます。また、セルロースは無味無臭であり水や普通の食用油やアルコールには溶けません。

――納豆菌(枯草菌)や産膜性酵母菌(産膜酵母)、あるいは体が菌糸でできている糸状菌(カビ類・キノコ類などの真菌類)はセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持っているため枯れた草や木、果実などに含まれているセルロースを分解して栄養源にすることができます。コウジカビもカビの仲間ですからこのセルラーゼをもっています。

酢酸菌は偏性好気性の細菌なのでアセトバクター・キシリナムは液面近くでこのセルロースを作り出すわけです。そしてこの酢酸菌膜のすぐ下にはアセトバクター・キシリナムやアセトバクター・アセチが乳酸菌と共生してバイオフィルムを作っているという研究論文もあります。

なお、一時ブームになった紅茶キノコやナタデココの正体も実はアセトバクター・キシリナムが作り出したセルロースの集合体だそうです酢酸菌によるセルロース合成と発酵ナノセルロース(NFBC)の大量生産。グレープおばさんのブログのコメント欄に乳酸菌液の表面にゼリー状のものが浮いたというコメントがありましたが無味無臭であったそうなのでもしかするとアセトバクター・キシリナムが作り出したセルロースだったのかもしれません。

黒糖と米麹を併用した培養液で作った乳酸菌液の場合も使用しているうちにその液面に酢酸菌膜ができます。セルロースは水に溶けないのでボトルの口のところをもって軽く振ってやるとその一部は沈殿します。飲んでも無害なので心配する必要はありませんがもし気になるようなら小さいボトルに移して空気に触れる面積を小さくしておきましょう。そうすれば偏性好気性細菌であるアセトバクター・キシリナムは酢酸菌膜を作り出すことができません(産膜酵母も偏性好気性の真菌です)

酢酸菌と産膜酵母

もう一つ。酢酸菌膜ができた乳酸菌液の液面には産膜酵母が作る膜ができません。なぜなのか分かりませんが、産膜酵母は乳酸に対しては強い耐性がある一方で酢酸には弱いようですから酢酸菌膜の下でアセトバクター・アセチやアセトバクター・キシリナムが作り出した少量の酢酸が産膜酵母の活動を抑制しているのかもしれません。この辺りの微生物のバランスというのは微妙なんですね。

また、産膜酵母(産膜性酵母菌)は自然界に幅広く存在する野生酵母の仲間ですが静置発酵の黒酢醸造の過程でこの産膜酵母が入り込むと黒酢作りがうまくできません。酢酸菌も産膜酵母もエタノールを利用する菌なので産膜酵母の勢力が強いと酢酸菌がエタノールから酢酸を作り出すことができないためです。静置発酵では産膜酵母の発生を防ぐために初期に酢(酢酸)を入れ、さらに酢酸菌膜を添加するという作業が行われます。

 
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

〔注記〕pH試験紙については「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「pH試験紙・培養液の色(10円硬貨の利用)」をご覧下さい。pH試験紙が手元にない場合の簡易判定に10円硬貨を利用する方法についても記してあります。

〔注記〕乳酸菌の培養に用いて使い終わった使ったペットボトルの汚れは水で洗うだけで十分ですがボトル内部の肩口の辺りに付着している浮遊物や産膜などはブラシで落とせます。なお、「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「培養液の濾過・沈殿培養液・ボトル等の洗浄」でご紹介している「フルフルボトル洗い」を使うと手間がかからず簡単にペットボトルの洗浄ができます。

〔注記〕 米のとぎ汁や米ぬか水等を利用した米乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は <乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕> に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお勧めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや新しい知見、あるいは誤っていた記述など、<乳酸菌を培養する(1)>の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使ってみる
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルト ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕米麹と黒糖を併用した培養/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)~(30)をまとめて読む。

(関連記事)

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炊いたご飯に~(グレープおばさん)

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言語関連の用語について

 表現された言語(本来の意味の言語)を単に言葉あるいは言語、ことば…のように表記しています。ソシュール的な意味の言語(言語規範ないし思考言語)はカッコつきで「言語」あるいは「言語langue」・「ラング」・「ことば」等と表記しています。(背景色つきで「言語」のように表記している場合もあります)

 一般的な意味の概念を単に概念と表記し、ソシュール的な意味の概念(語の意義としての概念、いわゆるシニフィエ・語概念)はカッコつきで「概念」と表記します。(2006年9月9日以降)

 また、ある時期からは存在形態の違いに応じて現実形態表象形態概念形態のように用語の背景色を変えて区別しています(この文章では〈知覚形態〉も〈表象形態〉に含めています)。

 ソシュールの規定した用語を再規定し、次のような日本語に置き換えて表記します。詳細は「ソシュール用語の再規定(1)」を参照。

【規範レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語韻     (ある語音から抽出された音韻)

・シニフィエ   → 語概念(語義) (ある語によって表わされるべき概念)

・シーニュ・記号 → 語規範(語観念)(ある語についての規範認識)

・記号の体系   → 語彙規範   (語すべてについての規範認識)

・言語      → 言語規範   (言語表現に関するすべての規範認識)

語概念・語韻は 語概念⇔語韻語韻⇔語概念)という連合した形で語規範として認識されています。語規範はこのように2つの概念的認識が連合した規範認識です。ソシュールは「言語langue」を「諸記号」相互の規定関係と考えてこれを「記号の体系」あるいは「連合関係」と呼びますが、「記号の体系・連合関係」の実体は語彙規範であり、言語規範を構成している一つの規範認識です。規範認識は概念化された認識つまり〈概念形態〉の認識なのです。

なお、構造言語学・構造主義では「連合関係」は「範列関係(範例関係)」(「パラディグム」)といいかえられその意義も拡張されています。

 語・内語・言語・内言(内言語・思考言語) について、語規範および言語規範に媒介される連合を、三浦つとむの主張する関係意味論の立場からつぎのように規定・定義しています。詳細は『「内語」「内言・思考言語」の再規定』を参照。(2006年10月23日以降)

  : 語規範に媒介された 語音個別概念 という連合を背後にもった表現。

内語 : 語規範に媒介された 語音像⇔個別概念 という連合を背後にもった認識。

言語 : 言語規範に媒介された 言語音(語音の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった表現。

内言 : 言語規範に媒介された 言語音像(語音像の連鎖)⇔個別概念の相互連関 という連合を背後にもった認識・思考過程。

内語内言は〈表象形態〉の認識です。

なお、上のように規定した 内言(内言語・内的言語・思考言語)、 内語とソシュール派のいうそれらとを区別するために、ソシュール派のそれらは「内言」(「内言語」・「内的言語」・「思考言語」)、「内語」のようにカッコつきで表記します。

また、ソシュールは「内言」つまり表現を前提としない思考過程における内言および内言が行われる領域をも「言語langue」と呼んでいるので、これも必要に応じてカッコつきで「内言」・「内言語」・「内的言語」・「思考言語」のように表記します(これらはすべて内言と規定されます)。さらに、ソシュールは「内語の連鎖」(「分節」された「内言」)を「言連鎖」あるいは「連辞」と呼んでいますが、まぎらわしいので「連辞」に統一します(「連辞」も内言です)。この観点から見た「言語langue」は「連辞関係」と呼ばれます。ソシュールは「内語」あるいは「言語単位」の意味はこの「連辞関係」によって生まれると考え、その意味を「価値」と呼びます。構造言語学では「言(話し言葉)」や「書(書き言葉)」における語の連鎖をも「連辞」と呼び、「連辞関係」を「シンタグム」と呼んでいます。詳細は「ソシュールの「言語」(1)~(4)」「ソシュール用語の再規定(1)~(4)」「ソシュール「言語学」とは何か(1)~(8)」を参照。

 さらに、ソシュールは内言における 語音像⇔個別概念 という形態の連合も「シーニュ・記号」と呼んでいるので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【内言レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音像(個別概念と語規範に媒介されて形成される語音の表象)

・シニフィエ   → 個別概念(知覚や再現表象から形成され、語規範の媒介によって語音像と連合した個別概念)

・シーニュ・記号 → 内語

・言語      → 内言

ソシュールがともに「シーニュ・記号」と呼んでいる2種類の連合 語韻⇔語概念語規範)と 語音像⇔個別概念内語)とは形態が異なっていますのできちんと区別して扱う必要があります。

 また、実際に表現された言語レベルにおいても、語音個別概念 という形態の連合が「シーニュ・記号」と呼ばれることもありますので、このレベルでの「シニフィアン」・「シニフィエ」についてもきちんと再規定する必要があります。

【言語(形象)レベルにおける再規定】

・シニフィアン  → 語音個別概念語規範に媒介されて実際に表現された語の音声。文字言語では文字の形象

・シニフィエ   → 表現された語の意味。個別概念を介して間接的にと結びついている(この個別概念語規範の媒介によってと連合している)

・シーニュ・記号 → (表現されたもの)

・言語      → 言語(表現されたもの)

 語音言語音語音像言語音像語韻についての詳細は「言語音・言語音像・音韻についての覚書」を、内言内語については「ソシュール用語の再規定(4)――思考・内言」を参照して下さい。また、書き言葉や点字・手話についても言語規範が存在し、それらについても各レベルにおける考察が必要ですが、ここでは触れることができません。

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プロフィール

シカゴ・ブルース

シカゴ・ブルース (ID:okrchicagob)

1948年生れ(68歳♂)。国語と理科が好き。ことばについては子供のころからずっと関心を抱いていました。20代半ばに三浦つとむの書に出会って以来言語過程説の立場からことばについて考え続けています。現在は39年間続けた自営(学習塾)の仕事を辞め個人的に依頼されたことだけをこなす日々です。

コメント等では略称の シカゴ を使うこともあります。

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意識と言語(こころとことば)

われわれは人間が『意識』をももっていることをみいだす。しかし『精神』は物質に『つかれて』いるという呪いをもともとおわされており、このばあいに物質は言語の形であらわれる。言語は意識とおなじようにふるい――言語は実践的な意識、他の人間にとっても存在し、したがってまた私自身にとってもはじめて存在する現実的な意識である。そして言語は意識とおなじように他の人間との交通の欲望、その必要からはじめて発生する。したがって意識ははじめからすでにひとつの社会的な産物であり、そして一般に人間が存在するかぎりそうであるほかはない。(マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』古在由重訳・岩波文庫)


ことばは、人間が心で思っていることをほかの人間に伝えるために使われています。ですから人間の心のありかたについて理解するならばことばのこともわかってきますし、またことばのありかたを理解するときにその場合の人間の心のこまかい動きもわかってきます。
このように、人間の心についての研究とことばについての研究とは密接な関係を持っていて、二つの研究はたがいに助け合いながらすすんでいくことになります。一方なしに他方だけが発展できるわけではありません。
…こうして考えていくと、これまでは神秘的にさえ思われたことばのありかたもまったく合理的だということがおわかりになるでしょう。(三浦つとむ『こころとことば』季節社他)


参考 『認識と言語の理論 I』を読む 1(1)――認識論と言語学三浦つとむ『認識と言語の理論 I』

子どもたちに向けた言葉

ふしぎだと思うこと
  これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
  これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
  これが科学の花です
        朝永振一郎

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