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乳酸菌を培養する(29)――〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液 [PC版ページへ]
2014/10/08 15:13

――乳酸菌を培養する――

 〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)

 〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養

 〔探究編2〕玄米浸潤培養液

 〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液

 〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養

 〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い

 〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液

 〔発展編4〕米麹の力(米と麹で作る濃密な乳酸菌液)

 〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌

 〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養

 〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液

 〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 植物性乳酸菌(自家製乳酸菌)の培養に関する記事をまとめて読む。

 関連:〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト

 関連:〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルトと内生菌 ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ

 豆乳ヨーグルト作りの記事をまとめて読む。

9月の下旬ともなるとこの辺りでも赤紫蘇(あかじそ)の花が咲き始めます。種を取るための株だけを残して他の株はみな抜かれてしまうためその中の 3株を頂いてきました。


赤紫蘇は梅干しや紅しょうがの色づけ・香りづけに使われますがあの赤い色はブルーベリーの色素として有名なアントシアニンの仲間のシソニンという色素だそうで、この色素は酸性のもとで鮮やかな発色をすることで知られています。梅干しの場合は梅に沢山含まれているクエン酸の働きであのような鮮やかな赤い色が出るんですね(梅の中に住んでいる乳酸菌が作り出した乳酸も多少は関与しているでしょう)。赤紫蘇ジュースを作るときも色出しをするために酢やクエン酸を加えます。柴漬けにも赤紫蘇を使いますが漬けてから時間が経つにつれて漬物が赤紫色に染まっていきます。これは乳酸菌が作り出す乳酸によってシソニンが発色するからなんですね。

前稿の「〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養」の実験を始めて間もなく上記のように赤紫蘇が手に入ったので蓬と同じようにして赤紫蘇の乳酸菌液ができるだろうと考えてペットボトルを使った赤紫蘇乳酸菌の培養を試してみました。予想した通りきれいな赤紫色の乳酸菌液ができました。

〔注記〕記事中では写真はすべて縮小表示していますが写真をクリックすると別窓が開いて原寸で表示されます。

 
ペットボトルを使って赤紫蘇乳酸菌を培養する
使った材料

濃い色の乳酸菌液を作りたいと思ったので色のついている部分は無駄なく使うことにし、茎は3センチくらいの長さに切り、葉は葉柄の部分も含めます。せっかくなので花の部分も入れます。鮮やかな色にするためと赤紫蘇の乳酸菌・酵母だけを培養するために白糖と片栗粉を使います。

赤紫蘇:200g強
あら塩:20g (約0.5%)
白糖:100g (約2.5%)
片栗粉:小さじ4杯(約15g)
:4リットル弱

実験の経過と結果

画像初日:4リットルのボトルに材料をすべて入れます。水はボトル上部に空間を少し残す程度にします。約3.9リットルでちょうどいい感じでした。時間が経つにつれ液の色が赤黒くなってきました。

1日後:液の色が写真のようになりました。pH5.0弱4.5強くらいです。赤い色が出るにはまだ酸性度が足りないようです。二酸化炭素の泡がわずかに発生しています。

画像3日後:赤紫蘇の量が多いためでしょう。早くも pH3.5 まで下がりました。液の赤味がはっきり分かります。発泡量も増えています。顕微鏡で見ると乳酸菌の密度がかなり高いことがわかりました。酵母は円形のものが多く楕円形のものもちらほらと見えます。棹形の酵母はほとんど見当たりません。ごくわずかですが麹菌の菌糸も見えました。

画像5日後:発泡量が多くなりました。何回かに分けてガス抜きをします。葉っぱの間に二酸化炭素が溜まっているのでとぎ汁培養液に比べるとこの手間がちょっと大変です。液の色はさらに赤みが増しました。

画像6日後:発泡が激しくなってきました。pH3.5弱 になっています。発酵が十分に進んだと思われるため葉と茎を残して培養液をすべて濾し取り、きれいなボトルに入れます。葉のかけらや花のつぼみなどを取り除くために茶漉しを使いました。写真が濾し取った液、はボトルに残った赤紫蘇の葉や茎です。液の色が鮮やかですが浮遊している片栗粉やデンプンかすのために実際よりも黒みが目立たないのかもしれません。浮遊成分が沈殿すれば透明感も増してもっと黒っぽく見えるはずです。

7日後pH3.0強。顕微鏡で見ると乳酸菌がさらに増えています。乳酸菌密度の高い乳酸菌液です。酵母も増えていますが大部分が円形のもので楕円形のものがそれに混じっています。棹形のものは観察できませんでした。

画像写真は8日後の赤紫蘇乳酸菌液を種にして作った豆乳ヨーグルトです(乳酸菌液20ml・豆乳250ml)。発泡がまだ続いている状態のものを使ったので中に気泡がかなりできています。テーブルの上に置いた状態で半日ちょっとで固まりました(気温は24〜26℃くらい)。冷やしてから食べてみましたが味はまあまあ。ちょっと酸味がありピリッとした食感に赤紫蘇の香りと味が混じっています。発泡が落ち着いてから作ればもう少しきれいなヨーグルトになったでしょう。

ボトルに残った赤紫蘇の葉と茎でもう一度乳酸菌を培養

画像ボトルに残った赤紫蘇の葉と茎にはまだ色が残っているのでこれを使ってもう一度培養してみました。あら塩40g, 白糖120g, 片栗粉小さじ4杯(約15g)と水4リットル弱を入れて窓際の暖かいところに置きましたが天候が不順で気温の低い日が続いたため発酵はかなりゆっくりと進みました。

写真が7日後にこの培養液を濾し取ったものです。飲んでみるとまだ甘みが残っています。あら塩と白糖を入れてから「ちょっと多すぎたかな」と思ったのですがその通りでした。白糖と片栗粉を使う場合は酵母があまり増えないので糖は少なめにすべきだったのにうっかりしてしまいました。写真は最初に作った赤紫蘇乳酸菌液の13日後の状態です。浮遊物が沈殿して透明度が増したため液本来の色が出ています。

赤紫蘇乳酸菌液の利用

赤紫蘇乳酸菌液は味と香りに癖があって飲んでもさほどおいしくありません。少し温めて蜂蜜を入れるとよいかも。しかし赤紫蘇にはいろいろと薬効があるらしいので薬だと思って飲めば我慢できないほどの味ではありません。「アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を緩和してくれる効果がある」そうなので皮膚に塗るのもいいかもしれません。また、大根やカブを浅漬けするときにちょっと色づけするのに使うと見た目がおいしくなりそうです。

 
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

〔注記〕pH試験紙については「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「pH試験紙・培養液の色(10円硬貨の利用)」をご覧下さい。pH試験紙が手元にない場合の簡易判定に10円硬貨を利用する方法についても記してあります。

〔注記〕乳酸菌の培養に用いて使い終わったペットボトルの汚れは水で洗うだけで十分ですがボトル内部の肩口の辺りに付着している浮遊物や産膜などはブラシで落とせます。なお、「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「培養液の濾過・沈殿培養液・ボトル等の洗浄」でご紹介している「フルフルボトル洗い」を使うと手間がかからず簡単にペットボトルの洗浄ができます。

〔注記〕 乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は「乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお奨めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや誤っていた記述など、「乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕」の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使ってみる
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルトと内生菌 ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹で作る濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)〜(30)をまとめて読む。

(関連記事)

 乳酸菌風呂に対するネガキャン――ニセ科学批判とエア御用
 【再掲】ペットボトルを利用した自作じょうご(粉末投入用)
 蓬乳酸菌液とぬか漬け

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定番の紫蘇ジュース(グレープおばさん)

【乳酸菌培養の教科書】(『文殊菩薩』)



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