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乳酸菌を培養する(30)――〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液 [PC版ページへ]
2014/12/22 15:44

――乳酸菌を培養する――

 〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)

 〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養

 〔探究編2〕玄米浸潤培養液

 〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液

 〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養

 〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い

 〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液

 〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)

 〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌

 〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養

 〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液

 〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 植物性乳酸菌(自家製乳酸菌)の培養に関する記事をまとめて読む。

 関連:〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト

 関連:〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルト ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ

 豆乳ヨーグルト作りの記事をまとめて読む。

私はナッツや豆類は好んで食べますが果物全般があまり好きではなくリンゴもナシも戴きもの以外は購入して食べるということをしません。ただし温州ミカンだけは例外でこれは出回り始めるとすぐに購入してほとんど毎日食べています(近年はミカンに加えて富有柿もよく食べるようになりました。でもこれは食べられる期間が限られていますね)。一昨年からは食べた後に残るミカンの皮を室内で乾燥させたものを乳酸菌風呂に入れたり飲用の乳酸菌液に刻んで入れたりしていました。


というわけで今年も10月半ば過ぎから九州産や四国産の温州ミカンを食べていますが一人で食べているだけでもそれなりの量のミカンの皮が出ます。ひと月あまり経ってたまったミカンの皮の陰干しを見ながらこれをうまく活用できないだろうかと考えました。

一昨年末から昨年の半ばにかけてさまざまな植物性の食品を種にした豆乳ヨーグルト作りの実践〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルト をする中でミカンの皮にも乳酸菌が内生していることが分かりました。また、米とぎ汁や蓬・赤紫蘇などの乳酸菌液を作るときにデンプンの存在が初期の乳酸菌増殖に重要な働きをしていることも分かりました〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率, 〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養, 〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液 。この二つのことを合わせて考えればミカンの皮と片栗粉とを使ってミカンの皮の乳酸菌液を作ることも十分に可能だろうと思われました。

 この記事の目次

 ミカンの皮の乳酸菌培養実験
   使用した材料
   実験の経過と結果
 ミカンの皮にはいろいろな薬効があるようです
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

 
ミカンの皮の乳酸菌培養実験

〔注記〕この実験は2014年11月末から12月初旬にかけて行なったものです。また、記事中では写真はすべて縮小表示していますが写真をクリックすると別窓が開いて原寸で表示されます。

使用した材料

赤紫蘇培養液に比べると片栗粉は少なめです。ミカンの皮の方が栄養分が多いだろうと考えたためですがもしかすると片栗粉が少なすぎるかもしれません。また、ミカンの皮を乳酸菌液に入れると酵母菌の増殖が抑制されることがこれまでの経験から分かっているので白糖も少なめにしました。

画像  温州ミカンの皮の陰干し:100g
 あら塩:20g (約0.5%)
 白糖:60g (約1.5%)
 片栗粉:小さじ2杯(約7.5g)
 :4リットル弱

実験の経過と結果

画像初日:4リットルのボトルを使います。ミカンの皮(乾燥)・あら塩・白糖・片栗粉をすべて入れ、最後に水を入れます。3.9リットルちょっとでちょうどよい感じです。乾燥していて軽いため全部の皮が浮いています。培養液にはミカンの皮の色がわずかに溶け出ているようです。日が落ちると室温が下がるため夕方以降は上にカバーを掛けて寝かせておきました。冷蔵庫のある狭い台所との仕切りの襖(ふすま)を全部外してあるため居間は比較的気温が高めで、この時期は夜間〜早朝でも室温20℃前後を保っています。

画像画像2日後:(写真左)皮が水分を吸ってやや膨張しています。オレンジ色の色素が出てきています。わずかながら泡が発生しており、pHも 5.0弱に下がりました。順調に乳酸菌が増えているようです。

3日後:(写真右)皮の一部が下に沈みました。オレンジ色も濃くなっています。泡の量も増えてきました。pHは 4.0弱になりました。顕微鏡で見ると乳酸菌が大分増えています。酵母は少なめです。わずかですが麹菌の菌糸の断片も見られます。

4日後:すべての皮が沈殿しました。pHは 4.0弱のままです。天候が悪い日が続いて日中の気温が上がらないのが原因かもしれません。

画像5日後:pHは 3.5強。乳酸菌がかなり増殖しています。酵母菌は楕円形のものがちらほらと見えます。ミカンの皮の培養液は酵母がとても少ないのが特徴のようです。そのためもあって他の培養液に比べると泡の発生量がかなり少なめです。

画像6日後:気温が低いためでしょう、ようやく pHが 3.5に到達しました。乳酸菌の増殖は続いています。酵母はやはり少ないようです。上澄みを取り出した後に残ったミカンの皮を、取り出した上澄み液で薄めながらすべてミキサーにかけました。これを上澄みと一緒に元のボトルに戻したのが右の写真です。見た目はオレンジジュースのようです。ほのかにミカンの香りがしますがジュースと違ってやや苦みがあって甘みもありません。とぎ汁乳酸菌液よりは飲みやすいですが…。浮遊成分が沈んでしまうと色はグレープフルーツの果汁のような感じになりました。

画像8日後:気温が低い日が続いたため完成するまでに時間がかかりましたがこのあたりで完成したと判断して上澄みを濾過したものをスプレーボトルに入れて肌に塗ったり頭皮に吹きかけたりして使い始めました。ほのかに匂うミカンの香りがいい感じです。乳酸菌の密度はふつうのとぎ汁乳酸菌液よりもやや高いくらい。乳酸桿菌(ラクトバチルス)が主体ですが長目の乳酸桿菌もけっこう多いようです。これがミカンの皮乳酸菌液の特色かもしれません。

画像12日後:ミカンの皮の乳酸菌液を種にして豆乳ヨーグルトを作ってみました。乳酸菌液豆乳25ml250ml を蓋付きの容器に入れ、ヨーグルティアで40℃8時間。ご覧のように薄いオレンジ色をしたきれいなヨーグルトができました。味の方はまあふつうにおいしい。なお、23日後のこの乳酸菌液を種にして同じ条件(ヨーグルティアで40℃で作ったところ固まるまでに10時間弱かかりました。

 
ミカンの皮にはいろいろな薬効があるようです

ミカンの皮を乾燥させて1年以上経ったものは陳皮(ちんぴ)と呼ばれる漢方薬ですがこれにはさまざまな薬効があります。また、柑橘系の果実特有のシトラス臭は皮に含まれるリモネンという揮発性の成分(さまざまな精油に含まれるテルペノイドの一種)によるものですがリモネンにもはいろいろな効能があります(リモネンは皮のつぶつぶの部分に入っています。袋に閉じ込められた状態になっているため乾燥させてもその大部分がそのまま残りますが皮を押し潰したりするとこの袋が破れてリモネンが外に出てきます)

ビタミンCはミカンの果実部分よりもむしろ皮の部分の方にたくさん含まれているようですし、皮の内側の白い部分や筋にはビタミンEが含まれているそうです。

調べてみるとそれ以外にもいろいろな薬効や効能があり、「ミカンの皮 リモネン 効能」などのキーワードでネット検索するとおもしろいくらいたくさんの情報が手に入ります。

ただし、人によっては肌に直接触れさせることによって赤くなったりピリピリとした刺激を感じたり痛みを感じたりすることもあるらしいので最初は少量を手の甲などに塗って大丈夫かどうか確かめてから使った方がよいでしょう。

〔注記〕市販のミカンは見栄えをよくするためにワックスを塗ってあるものが大部分です。食べる前に 40〜50℃ のぬるま湯にしばらく浸けておいてからその中でこすり洗いをし、そのあとで塩水で洗うことによって表面についている農薬や汚れを落とすことができます。こうしておけば食べた後に残ったミカンの皮をそのまま干すだけで済みます。心配なら塩水で洗う前に石けん(純石鹸)で洗うのもよいと思います。合成洗剤は皮に浸透してしまうため使うのはやめた方がよいでしょう。

私は生活クラブという生協に加入していて提携先の農園が作っている温州ミカンを食べています。生活クラブで販売されている温州ミカンは有機・減農薬栽培のものでワックスも使っていませんが、私は特に要改善農薬を使っていないものを選んで食べています。このミカンは市販のものに比べて見た目が多少悪いですがおいしさには難がありませんし、何より安心して食べられるのが一番です。

 
pH試験紙/乳酸菌液の利用・活用・効能等について

〔注記〕pH試験紙については「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「pH試験紙・培養液の色(10円硬貨の利用)」をご覧下さい。pH試験紙が手元にない場合の簡易判定に10円硬貨を利用する方法についても記してあります。

〔注記〕乳酸菌の培養に用いて使い終わった使ったペットボトルの汚れは水で洗うだけで十分ですがボトル内部の肩口の辺りに付着している浮遊物や産膜などはブラシで落とせます。なお、「〔基礎編〕米乳酸菌を培養してみた」の「培養液の濾過・沈殿培養液・ボトル等の洗浄」でご紹介している「フルフルボトル洗い」を使うと手間がかからず簡単にペットボトルの洗浄ができます。

〔注記〕 米のとぎ汁や米ぬか水等を利用した米乳酸菌の培養に関する基本的な事項や知っておくべき大切な情報は <乳酸菌を培養する(1)――〔基礎編〕> に載せてあります。まだお読みでない場合は一通り目を通しておかれることをお勧めします。また、その記事には 乳酸菌液の利用・活用・効能関連記事へのリンク集 も載せてあります。

なお、日々の実践を通して新たに分かったことや新しい知見、あるいは誤っていた記述など、<乳酸菌を培養する(1)>の内容は頻繁に更新・追加されていますのでときどき目を通して頂ければ幸いです。

――乳酸菌を培養する――

   (1)〔基礎編〕  米乳酸菌を培養してみた(とぎ汁培養液)
   (2)〔応用編1〕米ぬか培養液・拡大培養
   (3)〔応用編2〕乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
   (4)〔応用編3〕通販の米ぬかを使ってみる
   (5)〔応用編4〕飯山氏、拡大培養の「秘法」を明かす
   (6)〔応用編5〕発泡乳酸菌液と乳酸菌風呂
   (7)〔応用編6〕乳清で作る豆乳ヨーグルト
   (8)〔応用編7〕乳酸菌風呂、その2
   (9)〔探究編1〕古米の玄米と米乳酸菌、玄米浸潤液
 (10)〔探究編2〕玄米浸潤培養液
 (11)〔探究編3〕黒糖と白糖、乳酸菌風呂3
 (12)〔探究編4〕米ぬかと糖だけを使った培養実験
 (13)〔展開編1〕玄米で作る豆乳ヨーグルト
 (14)〔展開編2〕とぎ汁で作る豆乳ヨーグルト
 (15)〔展開編3〕日本茶で作る豆乳ヨーグルト
 (16)〔展開編4〕豆乳だけでヨーグルトができた
 (17)〔展開編5〕植物系で作る豆乳ヨーグルト ―― 野菜・果実・穀物・蜂蜜・梅干…等で作るヨーグルトのまとめ
 (18)〔探究編5〕米乳酸菌は120℃に耐えるか
 (19)〔発展編1〕驚異の玄米浸漬培養液
 (20)〔探究編6〕炊いたご飯と乳酸菌
 (21)〔展開編6〕超大雑把な蓬乳酸菌の培養
 (22)〔発展編2〕玄米豆乳乳酸菌液で作る豆乳ヨーグルト
 (23)〔発展編3〕濃いとぎ汁と乳酸菌の増殖率
 (24)〔探究編7〕白米浸漬培養液も乳酸菌が多い
 (25)〔基礎編2〕七分づき米のとぎ汁培養液
 (26)〔発展編4〕米麹の力(米と麹だけで作れる濃密な乳酸菌液)
 (27)〔発展編5〕黒糖と米麹の併用/米麹と産膜性酢酸菌
 (28)〔展開編7〕手軽にできる蓬乳酸菌の培養
 (29)〔展開編8〕色がきれいな赤紫蘇乳酸菌液
 (30)〔展開編9〕ミカンの皮の乳酸菌液

 乳酸菌を培養する(1)〜(30)をまとめて読む。

(関連記事)

 乳酸菌風呂に対するネガキャン――ニセ科学批判とエア御用
 【再掲】ペットボトルを利用した自作じょうご(粉末投入用)
 蓬乳酸菌液とぬか漬け

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